2026.06.04
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法律のバグ

投稿者:池内優太
落ち込む【棒人間】

弁護士をやっていて辛いことのひとつに、法律に対する不満について依頼者から責められる、という事象があります。

その中には、弁護士としても首がちぎれるほどうなづいてしまうご意見もあります。

そんな法律のバグともいうべき不条理のひとつが「被告が訴状の受取を拒否した場合」です。


訴えを提起するときには、相手方(被告)の住所を記載しなければいけません。

なぜなら、裁判所から被告に訴状を送らなければいけないから。

この、裁判所からの書類送付を「送達」といいます。

ここで厄介なのが、被告が訴状の受取を拒否した場合です。

この場合、裁判所から「送達できませんでした。」という連絡が来ます。

そして、被告の就業先を知っているなら就業先送達という手段がありますが、そうでなければ「付郵便送達」という方法を検討することになります。

これは、裁判所から被告に向けて書類を発送した時点で送達が完了したとみなす措置です。

これを採用してもらうためには、少なくとも被告が「その場所」に住んでいることが必要です。

現地で、洗濯物が干されているかとか、庭に物が置かれているかとか、夜電気が点いているかとか、人の出入りがあるかとか、要するに「そこに人が住んでる形跡があるか」を調べるのです。

そこに住んでいる人が被告の特徴と一致するかなど、近所の人に聞き込むこともよくあります。

その調査を誰がするかというと、基本的には原告自身です。

たいていの場合、調査会社を使ったり、代理人弁護士が代わりに調査に行ったりして報告書にまとめ、裁判所に報告するわけですが、その費用は原告本人もちです。

相手方に請求できません。

被告が訴状の受取を拒否したのが原因なのに、その後処理の負担は原告(依頼者)に押しつけられるので、文句が出るのもまあ当然です。


【通常の送達ができずに始まった訴訟では遅延損害金の利率を上げる】みたいな立法解決ができないかなあなどと思いながら、今日も「届いてくれ」という祈りを込めて訴状を出します。

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