2025.04.16
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【交通事故】「90:10」が「25:75」になったという話

投稿者:池内優太
追突事故

交通事故で被害に遭ったとき、弁護士に頼んだとして、大きく結果が変わるケースと、少ししか変わらないケースがあります。

今回は「大きく結果が変わったケース」をひとつご紹介します。

事故はこんな内容です。


T字路交差点で、脇道の方から左折進入しようとして待機していると、先行車が発進したのに右にいた後続車(A車)が動かなかった。

A車が譲ってくれた(ように見えた)ので左折したところ、譲ってくれたと思っていた車がいきなり発進してきて後ろにぶつかってきた

図にするとこんな感じ。 依頼者の車が黄色、相手の車は青い「A」と書かれた車です。

これ、分類するなら何事故だと思いますか?

多くの人は「追突事故」だと感じるかと思います。

ですが、警察が作成した交通事故証明書ではこのとおり

「出合い頭衝突」ということにされていました。

相手保険会社は言います。

「優先道路に進入した車と優先道路を走っていたA車との出合い頭事故なので、基本割合はそちら(池内の依頼者)が90%、こちら(A車)が10%です。」

いやいやちょっと待ってよと。 衝突箇所からしたらどう見ても出合い頭ではないでしょうと。

いくら言っても「事故証明書に出合い頭衝突と書いているので」の一点張りです。

交渉していくうちに、「そちら(池内の依頼者)が70%、こちら(A車)が30%ならいいですよ。」という話までは出てきましたが、到底納得できないということで(当然ですよね)、裁判にしました。

その結果、裁判所から、当方が25%、相手方(A車)が75%という内容での和解案が示され、この内容で和解することになりました。

相手が真後ろからぶつかっていた場合にはもっと有利な割合になったかもしれませんが、やや斜め後ろからの衝突であったため、こちらの過失も0にはならなかったものです。

とはいえ、当初の保険会社との交渉とは全く違う結果になり、依頼者も溜飲を下げたようでした。


ここで申し上げたいのは、「○○証明書」と言っても人間が作るものである以上は盲信しては危険だということです。

我々弁護士も、つい書面に書かれたことを鵜呑みにしてしまいがちですが、実態をよく見ないと評価を誤ることが多いという教訓になりました。


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