2025.02.13
ブログ

遺産分割で揉める「3つのポイント」

投稿者:池内優太
夫婦喧嘩

遺産分割事件では、いろいろな部分が争点になります。

その中でも、個人的に、最も争いになりやすい部分が

・特別受益(とくべつじゅえき)

・寄与分(きよぶん)

・遺産(特に不動産)の評価

だと思っています。

本稿では、それぞれをかいつまんで説明します。


1、特別受益

これは、相続人の一部が、被相続人(亡くなった人)から、生前に遺産の前渡しと評価できるような財産上の利益を受けていた場合に、その分を調整して遺産分割する理論です。

生前に多くもらっていた人について、相続の取得額を少なめにするという調整をします。

きょうだいの中で、一人だけ、親から自宅新築の援助として2000万円をもらっていたとか、結婚の持参金として1000万円を渡されていたとか、そういうケースで該当することが多いです。

なお、大学の学費などは一般的にはこの特別受益には当たらないとされています。

2、寄与分

相続人の中に、被相続人の財産の維持または形成に寄与した人がいる場合、その人の取得額を多めにする理論です。

被相続人が会社経営をしており、そこに子ども(相続人)が運転資金を援助した結果、会社が持ち直したというようなケースとか、親と同居して介護に務めたというケースなどがこれに当たります。

ただし、親が施設に入るための手続などをしたり、施設に頻繁に会いに行くという行動では、通常、寄与分は認められません。

同居介護によって、ヘルパーさんを依頼したり施設を利用する費用がかからなくなった結果として認められるものだからです。

3、遺産の評価

よくあるのは、遺産に占める土地や建物の割合が大きい場合に、これらの不動産を取得した側が、代償金をいくら払うべきかという場面で争いになるケースです。

固定資産評価証明書などで示される評価額に従うのが一般的ですが、たとえば人に貸している土地や建物がある場合には、定期的に賃料が入るので、単純な不動産の評価額より高く主張されるケースがあります。

折合いがつかない場合には、家庭裁判所が選任する不動産鑑定士の評価に従うという流れが多いですが、この場合、不動産鑑定にかかる費用は各相続人が相続割合に従って按分した金額を負担するのが一般的です。


このように、遺産分割では、様々な角度で争いやもめごとが起こります。特別受益や寄与分などは、皆さんが思っているより認定されるためのハードルが高いのが常ですが、逆に、特定の証拠があるだけであっさり主張が通ったりすることがあります。 何が証拠になるのか、どの程度の証拠があれば主張できるものなのか、そのあたりは専門家である弁護士にご相談ください。

ブログ一覧へ戻る

NEW

カテゴリ

サブカテゴリ

ARCHIVE