2026.01.25
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代襲相続に関する最高裁判例

投稿者:二川伸也
family_kakeizu 2026年1月25日

弁護士の二川です。


少し前にはなりますが、相続に関連する最高裁判例が出まして、改めてそれ調べたので、自分の勉強も兼ねて、簡単に本記事で説明します。


判決日は、令和6年11月12日になります。

今回の判決は、「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」という、亡くなった方に代わってその子どもが相続するルールの限界について、最高裁が初めて明確な判断を下した非常に重要なものです。

まず、代襲相続ですが、

「親が亡くなったとき、すでに兄弟(おじ・おば)が亡くなっていたら、その子ども(自分から見た従兄弟)が相続する」という話を聞いたことがあるかもしれません。

これを「代襲相続」といいます(この場合に限られませんが、本判例で問題になったシチュエーションがコレに近いです。)。


本判例では、この代襲相続について「養子縁組の前に生まれていた子」に権利があるかどうかが争われました。

実際の背景は割と複雑な家族関係なので、必要な範囲でシンプルに整理すると、以下のような状況でした。

Aさん(被相続人): 独身で子どももおらず、亡くなりました。

Bさん(Aさんの養妹): Aさんの母と養子縁組をして、Aさんの妹になりました。

Cさんら(今回の原告・控訴人・被上告人: Bさんの実の子どもたちです。

ここで重要なのは、BさんがAさんと養子縁組をする「前」に、すでにCさんたちが生まれていたという点です。

Bさんは先に亡くなっていたため、子どもであるCさんたちが「自分たちはAさんの相続人(代襲相続人)だ」と主張して、不動産の名義変更を申請しました。


この点、法律の世界には、「養子縁組前に生まれていた養子の子は、養親(今回の場合はAさんの母)と血がつながっているとはみなさない(要は、代襲相続できない)」という大原則があります。

一審は、Cさんたちの請求を却下しました(要は、代襲相続できない。)。

二審は、Cさんたちの逆転勝訴となりました(要は、代襲相続できる。)。

と、一審と二審で結論が分かれて、最終的に最高裁判所が結論を出すことになりました。


そして、その結果が、

最高裁判所は、二審の判断をひっくり返し、

「CさんたちはAさんを代襲相続することはできない」 という判断を下しました。

判決のポイントは、被相続人(Aさん)と、その兄弟姉妹(Bさん)の「共通の親」の直系卑属(血のつながった子孫)でない者は、代襲相続人にはなれない、としたことです。

つまり、Bさんが養子に入ったことでAさんと「兄妹」にはなったけれど、Bさんが連れてきた「縁組前の子(Cさん)」までは、Aさんの家の家系図には入りませんよ、という厳格な解釈を示したのです。


この判決により、相続実務の現場では、一つ混乱が解消されることになりました。


最後に、養子縁組が絡む相続は複雑になりがちです。

「自分は相続人だと思っていたのに、実は権利がなかった」あるいはその逆のケースも起こり得ます。特に代襲相続が絡む場合は、早めに専門家へ相談し、正確な相続人を特定することがトラブル回避の第一歩です。


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