2024.04.05
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焦った話(3)

投稿者:池内優太
男性・おののく

司法試験本番当日に会場を間違え、危うく不戦敗となるところだったあの日から17年。

私は、2歳10か月の長男と、0歳5か月の長女を持つ二児の父となりました。


これは、長男が1歳8か月の頃のことです。

保育園から、長男が熱を出したので迎えに来てほしいという要請がありました。

私が迎えに行き、自宅に連れて帰りました。

まだ午後2時頃でしたが、体調が悪いので寝かせることにして、寝室の準備をしている間だけ、テレビを見せていました。

本人は熱がある割には元気で、なんならテレビが見られるのでむしろご機嫌でした。

うつ伏せの姿勢で、足をパタパタさせながら、世界的に有名な人面機関車の番組を見ています。

さて、布団を敷き終えて、寝室に誘導しようと思い声をかけたところ、返事がありません。

返事どころか、うつ伏せになったまま、なんの反応もありません。

寝ちゃったのかな?と思って軽く揺すってみますが、それでもピクリともしません。

抱きかかえてみると、彼は半目で白目を剥き、呼吸は止まっていました。

チアノーゼが出た唇は紫色に染まっており、青ざめた顔色と相まって、先ほどまでの彼とはまるで別人のように見えました。

手足は力なく垂れ下がっており、いつもの抱っこの感触とは別物です。

・・・あれ、これはヤバいんじゃないのか?死んじゃうんじゃないのか?

今朝まで、さっきまで元気そうにしていた子が、こんなにあっけなく居なくなることある?

目の前の出来事に現実感が追いついて来ず、夢を見ているような心持ち。あのときの感覚が蘇ります。

とにかく、吐瀉物で喉を詰まらせないように横向きに寝かせて、119番です。

ここで自分が慌てても事態は好転しないので、つとめて冷静に、できるだけゆっくり、状況を伝えます。

救急隊員が向かいますと言われて電話を切ってから数十秒くらいでしょうか、彼がとつぜん咳き込んだと思ったら嘔吐し、呼吸が戻りました。唇にも色が戻ってきます。

人が嘔吐する様子を見て安堵することなんて、もう二度とないでしょうね。

結局、そのまま救急車で病院に搬送され、1日入院して返されました。

彼の症状は「熱性けいれん」という現象らしいですが、予備知識がなければ命を落としたと感じること間違いありません。

小さいお子さんをお持ちの親御さんは、一度検索してみてください。

それほど珍しい症状ではないようですが、心臓に悪いことこの上ありません。せめて正しい知識だけでも持っておくことを勧めます。


この出来事によって、15年以上「人生で焦ったことランキング」1位の座に君臨していた【試験会場間違え事件】は、その座を明け渡すことになりました。

このランキングに今後変動がないことを祈って、仕事に戻ります。

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