2023.09.23
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島耕作に見る法律の話

投稿者:二川伸也
building_kaisya 2023年9月23日

弁護士の二川です。


数ヶ月前から漫画アプリを複数利用して島耕作シリーズを読み続け、ついに最新部分まで追いつきました。


スーパーサラリーマン島耕作の人生が描かれており、基本的には出世の過程を見て楽しむものですが、

時にはマフィアを退治するなど、サラリーマンの枠を超えた活躍もしており、そういったところも楽しめます。


とはいえ、本筋は企業マンガなので、会社組織や労使関係に関する法律が絡むこともあり、法律的視点でも楽しめます。

しかし、そこはマンガということで、「そうはならんやろ」的なこともあります(私はそういうのも含めて楽しめますが。)。


例えば、

従業員が横領等により私腹を肥やす一方で会社に損害を与えた、といった際に懲戒解雇される場面がありました。

これ自体は是認されることが多いと思います。

他方で、

島耕作が会社内にある主流派の派閥に入ることを拒否したため、そのときの社長に解雇を告げられる場面がありました。

しかし、労働者を解雇をするには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である必要があります。

なかなかのハードルの高さです。

おそらく、主流派に入ることを拒否したくらいで解雇することは、客観的に合理的な理由もなければ、社会通念上相当でもないでしょう。

就業規則にも「主流派に入らなかったら解雇」とは書かれていないでしょう。

会社によっては、解雇するまでに

懲戒委員会等の組織で解雇につき検討すること、従業員に弁明の機会を保障すること等のことが就業規則に定められているかもしれません。


このように、法律的視点でも面白いところも多く、素晴らしいマンガだと思います。

ちなみに、解雇を告げられた後の島耕作が、どのようにして難局を乗り切るかのほうが圧倒的に面白いので、

お時間ある人は是非、全話読んでみてください。



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