2026.04.07
コラム

遺産分割協議と詐害行為

投稿者:二川伸也

遺産分割協議は詐害行為として取り消せる?弁護士が高松から解説 | よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Fraudulent Act Revocation in Inheritance

遺産分割協議で債務者が「遺産ゼロ」に。
債権者は取り消せるのか?

お金を貸した相手が相続財産を受け取らず返済を逃れようとしている――そのような状況への対処法を弁護士が解説します。

友人に1,000万円を貸したのに、友人の父が亡くなった途端、遺産分割協議で「友人だけが一切相続しない」内容になっていた――。香川の皆様からこうしたご相談をいただくことがあります。このような遺産分割協議は「詐害行為」として取り消せる可能性があります。本記事では、詐害行為取消権の要件・手続き・注意点をわかりやすく解説します。

結論:遺産分割協議は詐害行為取消権の対象になります

最高裁判所(平成11年6月11日判決)は、遺産分割協議について「財産権を目的とする法律行為」であるとして、詐害行為取消権(民法第424条)の行使対象になると判示しています。

相続放棄との違い:相続放棄は「消極的に財産の増加を妨げる行為」として詐害行為取消しの対象になりません(最高裁昭和49年判決)。これに対し、遺産分割は相続承認後の持分の実質的な譲渡であるため、両者は明確に異なり、遺産分割協議のみが取消しの対象となります。

本事例が詐害行為に当たる理由

  • 友人(次男)は返済期限経過後も無資力であり、1,000万円を満足させる財産がない
  • 遺産分割協議の結果、友人の相続分がゼロとされ、債権回収の可能性がさらに消えた
  • 長男・三男は友人が無資力で債務を抱えていることを承知していた
  • 友人自身も、この協議内容が債権者の満足を害することを認識していた

詐害行為取消請求訴訟の手続きをステップで解説

① 被告の選定

訴えを起こす相手は、債務者(友人)ではなく、不動産の持分を取得した長男と三男です。すでに持分移転登記が済んでいる場合も同様です。

② 求める内容(請求の趣旨)

  • 遺産分割協議の取消し:長男・三男と友人(次男)の間でなされた協議の取消しを求める
  • 持分移転登記手続き:法定相続分(本事例では3分の1)に従い、友人名義への移転登記を命じるよう求める
  • または、既になされた長男・三男への持分移転登記の抹消を求める方法も選択可能

③ 訴訟提起先・費用

  • 管轄裁判所:被告の住所・居所を管轄する地方裁判所、または不動産の所在地を管轄する地方裁判所
  • 費用:取消し対象となる不動産持分の価額に応じた収入印紙+予納郵便切手
⏰ 出限に注意:詐害行為取消権は、債権者が取消しの原因を知った時から2年以内、または行為の時から20年以内に行使する必要があります。この期間を過ぎると権利を失いますので、早めにご相談ください。

④ 添付書類

  • 遺産分割協議書
  • 不動産登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 訴訟委任状(弁護士に依頼する場合)

自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 自分で対応 弁護士に依頼
訴状の作成 請求の趣旨・原因の法的記載が難しく、不備があると却下のリスクがある 詐害行為取消しの要件を満たした正確な訴状を作成
被告の特定 誰を被告にすべきか判断が難しい(受益者か転得者か等) 事案に応じて適切な被告を特定し、戦略的に対応
証拠収集 無資力の立証・詐害意思の立証が困難 必要書類の取得・立証方針を含め一貫してサポート
登記手続き 判決後の移転登記手続きが別途必要で煩雑 確定判決後の登記手続きまで連携して対応可能
期限管理 2年・20年の期限を自己管理する必要がある 期限の管理・保全処分(仮差押など)の検討も含め対応
費用の目安 印紙代・郵送代など実費のみ 着手金・報酬金(案件規模による。)

高松市周辺でこのようなお悩みがあればご相談ください

詐害行為取消請求は、要件の立証・期限の管理・登記手続きまで複合的な対応が必要な分野です。「貸したお金が返ってこない」「相手が遺産を受け取らず逃げている」とお感じであれば、まずは弁護士への相談をお勧めします。

よつば法律事務所

〒760-0028 香川県高松市鍛冶屋町3-1 香川三友ビル2階

Googleマップで確認する
📞 087-802-2936 相談予約する
※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
© よつば法律事務所 All Rights Reserved.
コラム一覧へ戻る

NEW

カテゴリ

サブカテゴリ

ARCHIVE