2026.04.06
コラム

保佐人と被保佐人が相続人

投稿者:二川伸也

相続人に保佐人・被保佐人がいる場合の遺産分割とは?|よつば法律事務所

Guardianship & Inheritance

相続人の中に保佐人・被保佐人がいる場合の
遺産分割協議はどうすればいい?

臨時保佐人の選任から遺産分割協議書の作成まで、必要な手続きをわかりやすく解説します。

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。

「夫が亡くなり遺産を分けなければならないのに、息子には知的障害があって私が保佐人になっている。この場合、どうやって遺産分割をすればいいの?」

このようなご相談は、高松市周辺でも少なくありません。親御さんが我が子の保佐人となっているケースで、ご自身も相続人になってしまうと、法律上とても重要な問題が生じます。それが「利益相反」です。

この記事では、相続人の中に保佐人と被保佐人が両方いる場合の正しい手続きを、ステップごとにわかりやすくご説明します。正しい手続きを踏まないと、遺産分割が後から無効になるリスクもありますので、ぜひ最後までご確認ください。

結論「臨時保佐人」の選任が必要です

保佐人と被保佐人が同じ相続で遺産を分ける場面では、保佐人はそのままでは被保佐人の代理・同意ができません。なぜなら、両者の利益が相反するからです(利益相反行為)。

⚠ 重要:臨時保佐人の同意なく行われた遺産分割は、後から取り消され無効となる可能性があります(民法第121条)。実際に無効とされた裁判例も存在します。

解決策は、家庭裁判所に「臨時保佐人の選任」を申し立て、選任された臨時保佐人が被保佐人の利益を守りながら遺産分割協議に参加することです。

なお、すでに保佐監督人が選任されている場合は、保佐監督人が被保佐人を代表するため、臨時保佐人の選任は不要です(民法第876条の3第2項)。

手続きステップ別に解説:臨時保佐人の選任から遺産分割まで

STEP 1|臨時保佐人選任の申立て

保佐人(親など)が、被保佐人のために家庭裁判所へ申し立てを行います。

  • 申立書類:臨時保佐人選任審判申立書(家事手続別表1第25号)
  • 被保佐人・保佐人それぞれの戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 臨時保佐人候補者の住民票または戸籍附票
  • 遺産分割協議書(案)などの利益相反を示す資料
  • 後見登記事項証明書

※ 収入印紙800円・予納郵便切手が必要です。申立先は保佐開始の審判をした家庭裁判所です。

※ 実務では、遺産分割協議の内容が実質的にまとまった後に、協議書(案)を添付して申立てを行うケースが多いです。

STEP 2|臨時保佐人が選任される

家庭裁判所の審判が確定すると、臨時保佐人が正式に選任されます。この段階から、臨時保佐人が被保佐人の利益を代弁・同意する立場になります。

STEP 3|臨時保佐人が参加して遺産分割協議を行う

臨時保佐人は、被保佐人の利益を考慮した上で、遺産分割協議に同意するかどうかを判断します。代理権が付与されている場合は、被保佐人を代理して協議に臨むことも可能です。

STEP 4|遺産分割協議書を作成する

協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成します。

  1. 臨時保佐人が同意した旨を協議書に付記して署名・実印押印します(例:「相続人甲野一郎 臨時保佐人甲野秋男」と記載)。
  2. 協議書に各相続人・臨時保佐人の印鑑登録証明書と、臨時保佐人選任審判書を添付します。
  3. 完成した書類を使い、不動産の名義変更や預貯金の払い戻しなどの手続きを進めます。
⚠ 対抗要件に注意:法定相続分を超えて取得した財産については、登記・登録などの対抗要件を備えないと第三者に主張できません(民法第899条の2第1項)。早めの名義変更をお勧めします。

比較自分で手続きする場合と弁護士に依頼する場合

香川の皆様の中には、「できるだけ費用を抑えて自分でやりたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。一方で、手続きが複雑なため弁護士への依頼を検討される方も多くいます。以下の表をご参考ください。

比較項目 ご自身で対応 弁護士に依頼
申立書類の作成 書式の入手・記載に時間がかかる 弁護士が代行。漏れ・誤りを防止
裁判所とのやり取り ご自身で対応(平日昼間に窓口へ) 代理人として弁護士が対応
遺産分割協議書の作成 法的要件を満たさない可能性がある 有効な書類として正確に作成
費用目安 実費のみ(印紙代・郵便代など数千円〜) 着手金+報酬(案件内容による)
リスク 手続きの誤りで遺産分割が無効になる恐れ 弁護士が責任を持って対応
こんな方に向いている 相続財産が少なく、全員の合意が明確な場合 障害のある家族がいる・財産が多い・不安がある方

※ 費用は事案の複雑さや財産額によって異なります。まずはご相談ください。

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相続の全体像については、こちらのまとめページをご覧ください。
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「保佐人になっているけれど、自分も相続人で…どうすればいいの?」そのような複雑なお悩みを、私たちは丁寧にお聞きします。臨時保佐人の選任申立てから遺産分割協議書の作成まで、一貫してサポートいたします。

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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。

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