2026.04.07
コラム

相続財産管理人の申立て

投稿者:二川伸也

相続財産管理人とは?遺産分割が進まないときの対処法を弁護士が高松から解説 | よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Appointment of Inheritance Property Administrator

遺産分割が進まず、賃貸ビルの修理が放置されている。
相続財産管理人という解決策があります。

相続人全員が非協力的で相続財産の管理が止まってしまったとき、利害関係人が家庭裁判所に申し立てることで打開できます。弁護士が高松からわかりやすく解説します。

賃借しているビルのオーナーが死亡し、子供3人が相続人とわかった。台風で屋根・壁が破損し修理が急務なのに、遺産分割が未了を理由に3人とも動こうとしない――。高松市周辺でも、このような相続財産の管理をめぐるトラブルが発生することがあります。このような場合、利害関係人(賃借人など)は家庭裁判所に「相続財産管理人の選任」を申し立てることができます。本記事では、この制度の概要と申立て手順を解説します。

相続財産管理人とはどのような制度か

相続財産管理人とは、相続人が複数いて遺産分割が未了のまま相続財産が適切に管理されていない場合に、家庭裁判所が選任する第三者の管理者です(民法第897条の2)。

令和5年4月の法改正で使いやすくなりました:改正前は相続放棄前後など限られた場面でしか相続財産管理人を選任できませんでしたが、改正により「相続開始後のいずれの段階でも利用できる包括的な制度」として整備されました。遺産分割が未了で暫定的共有状態にある場合も対象となっています。

申立てができる「利害関係人」とは

申立人となれるのは、相続財産の管理に利害関係を有する者です。共同相続人・被相続人の債権者・債務者・受遺者のほか、本事例のような賃借人(テナント)も該当します。検察官も申立人になれます。

申立てが認められるための必要性

  • 相続人の全部または一部が遺産の保存行為に無関心または非協力的で、財産の価値が低下するおそれがあること
  • 相続財産を管理すべき者がおらず、保存行為を行う者が実質的に存在しないこと

逆に、相続人が1人で単純承認している場合や、遺産分割が全て完了している場合、すでに相続財産清算人が選任されている場合は、本制度の対象外となります(民法第897条の2第1項ただし書)。

申立て手続きをステップで解説

① 申立先・費用

  • 申立先:相続が開始した地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所
  • 費用:収入印紙800円、予納郵便切手(各裁判所の定めによる)、官報公告料5,075円

② 主な添付書類

  • 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 財産目録(判明している範囲で作成)
  • 申立人の利害関係を証明する資料(賃借人であれば賃貸借契約書の写しなど)
  • 財産管理人候補者を立てる場合はその候補者の住民票または戸籍附票

③ 申立書の記載で重要なこと

⚠️ 選任の可否は裁判所の裁量によります:申立てが却下されても即時抗告ができません。そのため、「相続財産管理人が選任されなければ適切な管理が困難である事情」を具体的に記載することが不可欠です。本事例であれば、台風被害の状況・相続人3名に修理を求めたが拒否されたこと・このまま放置すれば営業・居住ができなくなること――といった事情を詳述します。

④ 選任後の相続財産管理人の権限

  • 相続財産の目録の作成(義務)
  • 保存行為・財産の性質を変えない範囲での利用・改良行為(裁判所の許可不要
  • それを超える行為(売却・大規模改修など)には家庭裁判所の許可が必要
  • 相続財産の中から相当な報酬を得ることができる

自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 自分で対応 弁護士に依頼
申立書の作成 必要性の具体的記載が不十分だと却下されても不服申立てができない 選任の必要性が裁判所に伝わる申立書を作成し、却下リスクを最小化
添付書類の収集 被相続人の全戸籍収集など手続きが煩雑で時間がかかる 職権による取得を含め、必要書類の収集を迅速にサポート
管理人候補者の選定 適切な候補者が思い当たらないケースが多い 弁護士自身が管理人候補者となり、実効的な管理を担うことも可能
管理人選任後の対応 管理人との連絡・修繕の進め方など実務的な対応が難しい 管理人と連携して修繕・遺産分割の促進・明渡しなど次の手続きへ展開
費用の目安 収入印紙・郵便切手・官報費用など実費のみ 着手金・報酬金(案件規模による。初回相談は多くの事務所で無料)

香川の皆様へ よつば法律事務所にご相談ください

「相続人に連絡しても誰も動かない」「放置された相続財産で困っている」という状況は、賃借人・債権者など当事者以外の方にとっても深刻な問題です。高松市周辺でこのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。

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〒760-0028 香川県高松市鍛冶屋町3-1 香川三友ビル2階

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