2026.04.06
コラム

国債の相続

投稿者:二川伸也

相続した国債はどう分ける?手続きの流れを弁護士が解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Government Bond Inheritance

遺産に国債が含まれていたら?
分割・名義変更・換価の
正しい手続き

個人向け国債・固定金利付国債・外国債まで、相続時に必要な手続きを弁護士がわかりやすく解説します。


父の遺産を整理していたところ、国債が出てきた。しかも個人向け国債だけでなく、外国が発行した国債まで含まれている——。預金や不動産に比べてなじみが薄いぶん、「どこに連絡すればいいのか」「どうやって分ければいいのか」と戸惑われる方は少なくありません。

高松市周辺でも相続に関するさまざまなご相談をいただく中で、国債の取り扱いについて疑問をお持ちの方からのお問い合わせが増えています。この記事では、国債の相続手続きの流れと注意点を整理してご説明します。

まず知っておきたい「国債の種類」

個人が保有できる国債には主に以下の種類があります。それぞれ購入できる金融機関や管理方法が異なります。

個人向け国債

額面1万円から購入可能。3年固定・5年固定・10年変動の3種類。一定期間後に中途換金可能。

固定金利付国債

額面5万円。2年・5年・10年満期などの種類がある。証券会社・銀行で購入。

外国が発行した国債

外国政府が発行する債券。証券会社等の口座で管理されている場合は、国内国債と同様の手続きで対応可能。

📌 国債のペーパーレス化について
平成15年1月以降に発行された国債は、債券(紙)が発行されず、金融機関の口座記録のみで管理されています。それ以前の国債には現物の証券が存在する場合があります。

国債は「自動的に分割されない」ことに注意

国債は相続の対象となりますが、相続開始と同時に当然に法定相続分に応じて分割されるわけではありません。最高裁平成26年2月25日判決は、「個人向け国債は、法令上1単位未満での権利行使が予定されていない」ことを理由に、相続発生と同時の自動分割を否定しています。

つまり、遺産分割が確定するまでは相続人全員の「準共有」状態となり、各自が単独で権利行使することはできません。分割方法は主に以下の2つです。

  • 現物分割(名義変更):特定の相続人が国債をそのまま取得し、金融機関で名義変更を受ける方法。遺産分割協議書・調停調書・審判書・遺言書のいずれかが必要。
  • 換価分割(売却して分配):国債を売却し、売却代金を相続人間で分配する方法。利付国債の場合は別途「債券売却申込書」が必要。

手続きの流れをステップで確認

  1. 保有国債と管理している金融機関を確認する
    通帳・残高証明書・国債証券(発行されている場合)を手元に揃えます。
  2. 遺産分割の方法(名義変更 or 換価)を相続人全員で決める
    遺産分割協議書に国債の取り扱いを明記します。
  3. 各金融機関所定の「相続手続依頼書」を入手・作成する
    金融機関によって書式・名称が異なります。事前に確認を。
  4. 必要書類を揃えて金融機関へ提出する
    下記の書類が一般的に必要です。
  5. 名義変更の場合は新たに国債口座を開設する
    取得する相続人が対象金融機関に口座を持っていない場合、口座開設が必要です。

提出書類チェックリスト

  • 各金融機関所定の相続手続依頼書(相続人全員の実印・押印)
  • 国債の通帳・国債証券(発行されている場合)
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 遺言書または遺産分割協議書・調停調書・審判書
  • 相続関係図
  • 依頼書を作成する相続人の印鑑登録証明書
  • 口座開設申込書(名義変更の場合)
  • 債券売却申込書(換価する場合)
⚠ ゴルフ会員権・外国債など特殊な資産が含まれる場合
外国が発行した国債も、証券会社等の国内口座で管理されていれば国内国債と同様に手続きできます。ただし、銘柄によっては対応できる金融機関が限られる場合もあるため、早めに問い合わせることをお勧めします。

自分で手続きする場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 自分で手続き 弁護士に依頼
書類の収集・確認 金融機関ごとに異なる書式を自分で調べて揃える必要がある 必要書類の特定から収集まで代理でサポート
分割方法の判断 名義変更・換価どちらが得策か判断が難しい場合も 税務面なども踏まえ最適な分割方法をアドバイス
相続人間の調整 全員の合意形成を自力で行う必要あり 意見対立がある場合も交渉・調整を一括サポート
外国債・特殊銘柄 対応方法が不明確で時間がかかることも 専門知識をもとに適切な対応先を案内
費用の目安 実費のみ(書類取得費用など) 弁護士費用(内容により異なる。要相談)

まとめ:国債の相続は「金融機関への確認」が第一歩

国債は預金と異なり、相続開始後も自動的に分割されません。遺産分割の方針が決まったら、速やかに管理金融機関へ連絡し、必要書類を確認することが重要です。複数の金融機関に分散して保有されていることもあるため、漏れのないよう注意しましょう。

よつば法律事務所では、国債を含む相続財産全般のご相談を承っています。「どこから手をつければよいかわからない」という段階でも、弁護士が丁寧にお話を伺い、必要な手続きを整理いたします。香川・高松市近辺でお悩みの方は、お気軽にご連絡ください。

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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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