2026.04.06
コラム

特別縁故者制度

投稿者:二川伸也

相続放棄をしても財産を受け取れる?「特別縁故者」制度を弁護士が解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Inheritance Renunciation & Special Beneficiary

相続放棄をしたのに、
財産を受け取れる場合がある?
「特別縁故者」制度のすべて

債権者からの執拗な請求を避けて相続放棄をした。でも残った財産を受け取りたい——そんな状況に法的な解決策があります。

父が亡くなり、唯一の相続人である自分が相続人となった。しかし債権者からの激しい請求が続く可能性を懸念して、相続放棄を選択した——。ところが後から相続財産の清算が終わり、思ったより財産が残っていることが判明。「今からでも受け取れないだろうか」とお考えになる方は少なくありません。

実は、相続放棄をした人であっても「特別縁故者」として財産分与を申立てることができると解されています。高松市周辺でも同様のご相談をいただくことがあります。この記事では、その制度の仕組みと手続きを弁護士がわかりやすくご説明します。

相続放棄しても「特別縁故者」として財産分与を受けられます

相続放棄をしたら、もう財産を受け取る方法はないの?
特別縁故者として財産分与の審判を申立てることができます(民法958条の2)。

民法939条は「相続放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなす」と定めています。つまり相続放棄後は「相続権のない親族」という立場になります。そのうえで、特別縁故者に対する財産分与制度(民法958条の2)は、相続権はなくとも被相続人と特別の縁故がある者に、国庫帰属前の残余財産の全部または一部を分与できるとした制度です。

広島高裁岡山支部の判例(平成18年7月20日)は、相続放棄した子が申立人となったケースで、特別縁故者性を認めて財産分与を認容しています。現在の解釈では、相続放棄した相続人を特別縁故者から排除するという立場は見当たらないとされています。

申立ての手続きをステップで解説

  • 相続財産清算人による清算の完了を待つ
    相続財産清算人が清算を行い、債務を弁済した後に残余財産が確定します。
  • 相続人捜索の公告期間の満了を確認する
    申立ては公告期間満了後3か月以内に行う必要があります(民法958条の2第2項)。この期限は厳守です。
  • 必要書類を準備する
    申立書のほか、特別縁故を証明する資料の収集が重要です(下記参照)。
  • 家庭裁判所に申立書を提出する
    申立先は相続が開始した地(被相続人の住所地)を管轄する家庭裁判所です。

必要書類・費用

  • 特別縁故者に対する相続財産分与審判申立書
  • 申立人の住民票または戸籍の附票
  • 申立事情説明書(被相続人との生活状況・療養看護の実態などを詳述)
  • 特別縁故を証する資料(入院費の領収書、葬儀費用の明細、同居の証明など)
  • 収入印紙800円・予納郵便切手(各裁判所の定めによる)
⚠ 申立書に「相続放棄の理由」も必ず記載を
不当な目的で相続放棄をして特別縁故者制度を利用しようとした場合は、「分与の相当性」を欠くとして却下される可能性があります。申立書には相続放棄をせざるを得なかった具体的な事情(債権者からの執拗な請求等)を明確に記載してください。

自分で申立てる場合と弁護士に依頼する場合の比較

特別縁故者性の認定は個別の事情に大きく左右されます。香川の皆様も、下の表を参考にご検討ください。

比較項目 自分で申立て 弁護士に依頼
申立書の作成 特別縁故性・放棄理由・分与の相当性を自分で法的に構成する必要あり 認定を受けやすい事実の整理・記載を弁護士が行う
証拠資料の収集 何が有効な証拠か判断しにくい。不足すると却下リスクあり 同居期間・療養看護・葬儀費用負担など必要な資料を的確に指示
期限管理 公告期間満了後3か月の期限を自分で管理する必要あり 期限を含めたスケジュール管理を一括で対応
裁判所とのやり取り 補正・照会等の対応をすべて自分で行う 代理人として対応。依頼者の負担を軽減
費用の目安 実費のみ(印紙・郵便切手 計数千円〜) 実費+弁護士費用(内容により異なる。まずはご相談を)

まとめ:放棄後でも諦めないで、まずご相談を

相続放棄は「すべての権利を永久に失う」ことを意味するわけではありません。被相続人と深い関わりがあった方は、特別縁故者として財産分与を受けられる可能性があります。ただし、申立ての期限(公告期間満了後3か月以内)は絶対に守らなければならず、書類の準備や特別縁故性の立証には専門的な知識が必要です。

よつば法律事務所では、相続放棄後の財産分与のご相談も承っております。「もう手遅れかもしれない」とお思いの方も、まず一度お電話やご来所でご相談ください。状況を丁寧にお伺いし、最善の選択肢をご提案いたします。

FREE CONSULTATION

まずはお気軽にご相談ください

相続放棄・特別縁故者・財産分与に関するご相談は、よつば法律事務所にお任せください。弁護士が丁寧に対応いたします。

※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
コラム一覧へ戻る

NEW

カテゴリ

サブカテゴリ

ARCHIVE