2026.04.06
コラム

相続財産管理人制度

投稿者:二川伸也

相続財産管理人とは?遠方に住む相続人が取るべき手続き|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Estate Management Procedure

相続放棄を検討中なのに
遺産の管理ができない…
そんなときの「相続財産管理人」制度

遠方に住んでいて対応できない。でも相続するか放棄するかまだ決めていない。
そのような状況を法的に解決する方法があります。


突然、疎遠だった親族が亡くなり、相続人になってしまった——。しかも被相続人がアパート経営をしていたため、毎月家賃が動き、入居者からの修繕依頼も来る。借金があるかもしれないから相続放棄も考えているが、まだ遺産の全体像が把握できていない。

このような状況は、香川の皆様からもよくご相談をいただきます。「放棄すると決める前に、誰かに遺産を管理してほしい」——そのご要望に応えるのが、民法が定める「相続財産管理人」の制度です。この記事では、その申立て方法や費用、弁護士に依頼するメリットを丁寧にご説明します。

相続財産管理人を選任すれば、管理困難な問題を解決できます

民法897条の2第1項は、相続人が病気や遠方居住などの理由で相続財産を適切に管理できない場合、家庭裁判所が「相続財産の保存に必要な処分」を命ずることができると定めています。その最も実効的な手段が「相続財産管理人の選任」です。

POINT

相続財産管理人は、相続の承認・放棄を決断するまでの間、アパートの賃料収受・修繕対応・財産目録の作成といった管理業務を代わりに行います。相続人本人が遠方にいても、適法に遺産を守ることができます。

重要なのは、この申立ては相続人自身も行うことができるという点です。また、承認・放棄の判断が固まっていない段階でも、「遺産の全部が分割されるまで」申立てが可能です。

申立て手続きをステップ別に解説

ステップ① 申立先と時期を確認する

申立先は、被相続人(亡くなった方)の住所地を管轄する家庭裁判所です。申立ては遺産の全部が分割されるまで、いつでも行えます。

ステップ② 必要書類を収集する

  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続人全員の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 財産目録(判明している範囲で可。預金・不動産・負債など)
  • 申立人の利害関係を証明する資料(親族なら戸籍謄本等)
  • 財産管理人候補者を立てる場合は、その住民票または戸籍附票

ステップ③ 申立書を作成・提出する

申立書の書式は「家事審判申立書(相続財産管理人の選任)」です。申立書には管理困難な具体的な事情を詳しく記載することが重要です。裁判所の裁量による判断となるため、却下されると即時抗告ができない(家事手続法85条1項)点に注意が必要です。

ステップ④ 裁判所への予納等を行う

  • 収入印紙:800円
  • 予納郵便切手:各裁判所の定めによる
  • 官報公告料:5,075円
  • 相続財産管理人への報酬:相続財産の中から支払われる場合あり

自分で手続きする場合と弁護士に依頼する場合の違い

高松市周辺で同様のご事情を抱える方から「自分でできますか?」とご質問をいただくことがよくあります。下の表でご確認ください。

比較項目 自分で手続き 弁護士に依頼
書類収集 自分で各役所を回る必要あり。戸籍収集に数週間かかることも 弁護士が職権で収集可能。迅速に対応
申立書の作成 管理困難の事情を法的に説得力ある文章で書く必要あり 却下リスクを踏まえ、適切な記載で作成
裁判所対応 補正・照会への対応を自分で行う。遠方の場合は特に負担大 代理人として一括対応。依頼者の負担を大幅に軽減
相続判断への助言 承認・放棄のアドバイスは受けられない 財産調査の結果を踏まえ、最適な判断を一緒に検討できる
費用の目安 実費のみ(印紙・官報・郵便切手 計1万円前後) 実費+弁護士費用(事務所により異なる。要相談)

まとめ:迷う前に、まず一度ご相談ください

相続財産管理人制度は、「すぐに相続するか放棄するか決められない」状況でも、遺産を適切に守るための有効な手段です。ただし、申立書の記載が不十分だと却下される可能性があり、その場合は即時抗告もできません。だからこそ、法的な知識を持つ専門家のサポートが重要になります。

よつば法律事務所では、相続に関するご相談を幅広くお受けしています。「何から手をつければいいかわからない」「遺産の中身が全くわからない」という段階からでも、丁寧にお話を伺い、最善の方向性をご提案いたします。

まずはお気軽にご相談ください

相続放棄・財産管理・遺産調査に関するご相談は、よつば法律事務所にお任せください。初回のご相談から、弁護士が丁寧に対応いたします。

※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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