2026.04.06
コラム

調停中の相続分放棄

投稿者:二川伸也

遺産分割調停中に相続分を放棄したい|手続きと書類を弁護士が解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Inheritance Proceedings — Renunciation of Share

遺産分割調停の途中で
相続分を放棄したい
― 手続きと必要書類を弁護士が解説 ―

よつば法律事務所|香川県高松市の相続専門コラム


「兄弟間の遺産争いに関わりたくない。いっそ相続分を放棄して手続から抜けたい――」そう感じている方は、香川・高松市周辺でも少なくありません。遺産分割調停が長引くほど、精神的・時間的な負担は増していきます。

ただし、「相続放棄」と「相続分の放棄」は法律上まったく別の手続きです。調停の途中でできる手続きには限りがあり、必要な書類や裁判所への届出を正しく理解しなければ、思わぬトラブルを招くこともあります。

この記事では、遺産分割調停・審判手続中における相続分放棄の方法・書類・注意点をわかりやすくご説明します。最後まで読んでいただければ、次に何をすべきかが明確になるはずです。

「相続分の放棄」でできること・できないこと

まず大前提として、調停中に選べる手続きは「相続分の放棄」であり、民法915条の「相続放棄」(家庭裁判所への申述)とは異なります。

⚠ 相続放棄との違い 相続放棄(民法915条)は相続開始を知った日から原則3か月以内に申述が必要であり、調停中に行うことは通常できません。調停・審判の係属中に手続から外れたい場合は「相続分の放棄」を選ぶことになります。

相続分の放棄でできること

  • 遺産分割調停・審判の手続から外れることができる
  • 積極財産(プラスの遺産)についての取得分をゼロにできる
  • 放棄した相続分は、他の共同相続人に帰属する

相続分の放棄でできないこと

  • 相続人としての地位は失わない(戸籍上は相続人のまま)
  • 相続債務(借金・ローン等)は免れない(債務については債権者との関係が残る)
  • 相続放棄のように「最初から相続人でなかった」という効果は生じない
📌 債務にご注意ください 相続分の放棄をしても、被相続人の借金等の消極財産については、他の相続人との関係で支払義務を負う可能性があります。債務の問題が絡む場合は、弁護士への相談を強くお勧めします。

調停中に相続分を放棄する手続き・ステップ

必要な手続きは大きく2つです。順番に解説します。

  1. 相続分放棄書の作成 特定の定型書式はありませんが、被相続人の本籍・最後の住所・生年月日・死亡年月日を明記し、放棄者の住所・氏名を記述して実印を押捺します。また、印鑑登録証明書の添付が必要です。放棄の対象(相続分の全部または一部)も明確に記載しましょう。
  2. 相続分放棄書を家庭裁判所へ提出 遺産分割調停(または審判)が係属している家庭裁判所の担当部へ提出します。これを受けて裁判所が排除の裁判(家事事件手続法43条①・258条)を行い、放棄者は手続から外れます。
  3. 相続分放棄・排除の裁判を求める届出書の提出(任意) 提出義務はありませんが、裁判所に排除の裁判を促す意味で「相続分放棄・排除の裁判を求める届出書」を相続分放棄書とあわせて提出することが実務上推奨されています。届出書には事件番号・当事者・放棄者の住所氏名を記載し、実印を押捺します。
  4. 排除の裁判と即時抗告権放棄書 裁判所が排除の裁判をすると、放棄者はその裁判に対して即時抗告できます(家事手続法43条②・101条)。実務上は、即時抗告権放棄書の提出を求められることがあります。排除の裁判が確定することで正式に手続から外れたことが確定します。

書類作成のポイントまとめ

  • 被相続人の特定情報(本籍・最後の住所・生年月日・死亡年月日)を必ず記載する
  • 放棄者本人の住所・氏名を記載し、実印を押捺する
  • 印鑑登録証明書を必ず添付する
  • 相続分放棄書には「相続分を全部放棄する」旨を明記する
  • 届出書には相続分放棄書(印鑑登録証明書付き)を添付して提出する

自分で手続きする場合と弁護士に依頼する場合の比較

相続分放棄の書類自体は費用不要ですが、状況によって対応の難易度は大きく異なります。

比較項目 ご自身で手続き 弁護士に依頼
書類作成の費用 無料(実費のみ) 弁護士報酬が発生
書類の正確性 記載漏れのリスクあり 確実・迅速に対応
債務問題の整理 対応が困難 債権者対応含め一括サポート
裁判所とのやりとり 手続き知識が必要 代理対応が可能
放棄後のトラブル対応 自力対応が必要 継続サポートあり
精神的な安心感 不安が残りやすい 専門家に任せて安心

※ 上記は一般的な目安です。個別の事情によって異なります。

まずはよつば法律事務所にご相談ください

「調停中に相続分を放棄したい」「債務が残るか心配」「書類の作り方がわからない」――香川の皆様のそのようなお悩みに、よつば法律事務所が丁寧にお答えします。

相続分の放棄は一見シンプルな手続きに見えますが、放棄後に残る相続債務の問題や、放棄の効力が他の相続人に与える影響など、専門的な判断が必要な場面が多くあります。お早めにご相談いただくことで、後悔のない選択が可能になります。

ご予約はお電話で 087-802-2936
※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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