2026.04.04
コラム

賃貸物件の相続

投稿者:二川伸也

相続財産に賃貸物件があるとき|高松市の弁護士によるわかりやすい解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。


Inherited Rental Property

相続した賃貸物件、大家の地位はどうなる?
賃借人への対応と手続きを弁護士が解説

高松市・よつば法律事務所|弁護士による相続コラム

故人がアパートや賃貸マンションを経営していた場合、相続人は突然「大家」としての立場を引き継ぐことになります。賃借人への対応、賃料の受け取り方、経営を続けるかどうか——考えるべきことは山積みです。

このコラムでは、賃貸物件を相続した際にやるべき手続きを、ケース別にわかりやすく整理します。

  • 📬 賃貸人の地位が誰に承継されるかの基本ルール
  • 📄 賃借人への通知の仕方と注意点
  • 🏚 アパート経営をやめたい場合の対処法
  • ⚖ 相続人全員が放棄した場合に必要な法的手続き

🏠賃貸人の地位は誰が引き継ぐのか

賃貸人(大家)の地位は、相続によって相続人に承継されます(民法第896条)。通常は、遺産分割協議を経て賃貸物件の所有権を取得した相続人が、賃貸人の地位も併せて引き継ぐことになります。

💡 遺産分割前の賃料はどうなる?

遺産分割が成立するまでの間に発生した賃料は、各相続人がそれぞれの相続分に応じて取得します(最高裁平成17年9月8日判決)。後から遺産分割をしても、その配分には影響しません。実務上は、分割協議成立後に相続人間で清算することが一般的です。

賃貸人変更通知が必要な理由

賃貸人が変わっても、法律上は自動的に契約関係が新賃貸人に引き継がれます。ただし、賃借人には誰が新しい大家なのかが分かりません。賃料の振込先、連絡先などを速やかに伝えるためにも、賃貸人変更通知書を郵送することが重要です。

  • 新賃貸人の氏名・住所を明記する
  • 賃貸借契約の内容は従前どおりである旨を伝える
  • 銀行振込で賃料を受領している場合は新口座を指定する
  • 可能であれば、相続登記後の登記事項証明書の写しを添付する
  • 可能であれば、新賃貸人名義の賃貸借契約書に書き換える

📋アパート経営をやめたい場合——賃貸借契約終了の申入れ

後継者がおらず、アパート経営を続けることが困難な場合は、賃借人に対して賃貸借契約終了の申入れをすることができます。ただし、これはあくまで「お願い」であり、賃借人に応じる義務はありません。

手続きの流れ

  • 1
    賃貸借契約書を確認する 契約期間・更新条件・解約予告期間などを把握する。期間中の一方的な解約は原則できない。
  • 2
    賃借人と協議する 廃業の事情を丁寧に説明し、合意解約に向けて交渉する。
  • 3
    賃貸借契約終了申入書を送付する 書面で正式に申入れを行う。賃借人が承諾すれば合意解約が成立する。
  • 4
    退去・明け渡しの日程を調整する 敷金の精算・原状回復の範囲についても書面で確認する。
⚠ 「正当事由」がなければ更新拒絶はできない

賃貸人側の事情だけでは、借地借家法第28条により正当事由がない限り更新拒絶はできません。賃借人が退去に同意しない場合は長期化するケースもあります。高松市周辺で賃借人対応にお困りの場合は、早めに弁護士へご相談ください。

相続人全員が放棄した場合——相続財産清算人の選任

赤字経営のアパートなど、誰も相続したくない場合に全員が相続放棄することがあります。その場合、賃貸物件の管理が宙に浮いてしまうため、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申立てる必要があります(民法第952条)。

⚠ 「全員放棄」とは次順位の相続人まで含む

配偶者と子が放棄しても、両親・兄弟姉妹が放棄しなければ「全員放棄」にはなりません。次順位の法定相続人(民法887条・889条)全員の相続放棄申述受理証明書が必要です。

申立てに必要な主な書類

  • 被相続人の出生〜死亡までの全戸籍謄本(除籍・改製原戸籍含む)
  • 被相続人の父母・子・兄弟姉妹など各関係者の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 財産を証する資料(不動産登記事項証明書・預貯金残高証明書等)
  • 申立人の利害関係を証する資料
  • 相続人全員の相続放棄申述受理証明書
  • 相続財産清算人候補者の住民票(候補者がいる場合)
📌 申立費用の目安

収入印紙800円+予納郵便切手(各裁判所による)+管理費用の予納が必要です。申立先は、相続開始地を管轄する家庭裁判所(家事事件手続法第203条)となります。

📊自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

賃貸物件の相続は、通常の相続よりも関係者(賃借人・金融機関・管理会社等)が多く、手続きが複雑になりやすいです。香川の皆様が安心して対応できるよう、弁護士のサポートが効果的な場面をまとめました。

対応場面 自分で対応 弁護士に依頼
賃貸人変更通知の作成 書式に沿えば自分で可能 正確な書面を速やかに作成
賃借人との合意解約交渉 長期化・感情的対立のリスク 弁護士が窓口となり円滑に交渉
相続放棄の手続き 3か月の期限・書類漏れのリスク 期限管理・書類作成を一括対応
相続財産清算人の申立て 添付書類が多く複雑 申立書・添付書類を全面サポート
賃料収入の精算・清算 相続人間のトラブルになりやすい 公平な清算案を提示・調整
費用 実費のみ 着手金・報酬金が発生
Free Consultation

賃貸物件の相続でお困りなら、
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「賃借人への通知をどうすればいいか」「経営をやめたいが退去してもらえない」——賃貸物件の相続に関するお悩みを、弁護士が丁寧にお聞きします。

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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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