2026.04.03
コラム

預貯金や有価証券の財産調査

投稿者:二川伸也

相続で預貯金・株・国債を調べる方法|残高証明・証券保管振替機構への開示請求まで【香川・高松の弁護士 よつば法律事務所】

※ 本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。

ESTATE / FINANCIAL INVESTIGATION

預貯金・株・国債を漏れなく調べる
――相続財産の金融資産調査で
使える3つの方法

「母は複数の銀行口座を持ち、株や国債の取引もしていた。でも、どこに何があるか正確にわからない。インターネット取引もしていたようだが、パスワードもわからない」――相続手続きを始めた際に、このような状況に戸惑われる方は少なくありません。

金融資産の調査漏れは、相続税の申告誤りや遺産分割のやり直しにつながる深刻なリスクです。本コラムでは、預貯金・有価証券の保有状況を確実に把握するための3つの方法を、高松市の弁護士がわかりやすく解説します。

OVERVIEW金融資産調査で使える3つの方法

1取引履歴・残高証明書の取得
📍 各金融機関(銀行・郵便局等)
過去の入出金履歴の確認と、相続税申告用の残高証明書の取得。
2証券会社への残高照会
📍 取引のあった証券会社
株式・国債等の保有銘柄・数量・取引履歴を問い合わせる。
3証券保管振替機構への開示請求
📍 ㈱証券保管振替機構(JASDEC)
取引先の証券会社が不明な場合に、全証券会社を横断して口座を特定できる。

METHOD 1預貯金の調査――取引履歴の確認と残高証明書の取得

① 取引履歴の確認(過去6〜7年分)

相続税の計算では、相続開始前7年以内の贈与財産が課税価格に加算されます(相続税法19条)。また、贈与税の更正等の期間制限が6年とされているため(相続税法37条1項)、税務調査に対応するためには少なくとも過去6年分の取引履歴を把握しておくことが重要です。

  • 📖通帳・預貯金証書が手元にある場合:記帳内容で取引履歴を確認します
  • 📄通帳を紛失している場合:金融機関に取引履歴証明書(取引明細証明)の発行を依頼します
  • 🌐インターネットバンクの場合:ATMカードや郵便物等から取引行を特定し、直接問い合わせます
⚖ 重要な判例:相続人1人でも取引履歴の開示請求ができます
金融機関から「他の相続人全員の同意が必要」と言われることがありますが、最高裁平成21年1月22日判決は、共同相続人の1人は単独で取引経過の開示を求める権利を行使できると明示しています。他の相続人の同意がないことを理由に拒否されても、法的には開示を求めることができます。
⚠ 口座解約後に死亡した場合は注意
被相続人が口座を解約した後に亡くなった場合、下級審判例では銀行は取引経過の開示義務を負わないとした判断があります(東京高裁平成23年8月3日決定)。解約済みの口座については、別途対応を検討する必要があります。

② 残高証明書の取得(相続税申告用)

相続税申告の添付書類として、相続開始日(死亡日)現在の残高証明書が必要です。各金融機関へ相続人が依頼します。

  • 📄被相続人の出生から死亡までの戸(除)籍謄本
  • 📄相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 🔏相続人の印鑑登録証明書(実印)
  • 💳被相続人の通帳・キャッシュカード・証書等
💡 残高証明書と一緒に「利息計算書」も依頼しましょう
預貯金の評価には、中途解約利率による既経過利子の額も含めて算定します。残高証明書を依頼する際に、同時に利息計算書の発行も申し込んでおくとスムーズです。

METHOD 2 & 3有価証券の調査――証券会社照会と振替機構への開示請求

取引先の証券会社がわかる場合

売買報告書・配当金支払通知書・配当金が振り込まれる預貯金通帳などをもとに、証券会社に対して保有銘柄・保有株数・取引履歴等を直接問い合わせ、残高証明書の発行を依頼します。

取引先の証券会社がわからない場合――振替機構への開示請求

どの証券会社に口座があるかわからない場合は、㈱証券保管振替機構(JASDEC)に「登録済加入者情報開示請求」を行います。同機構は加盟する証券会社の加入者情報を一元管理しており、被相続人の口座がある証券会社を横断的に特定することができます。

📌 開示請求費用(税込)
第1件目:6,050円 | 同一株主について同時に複数件請求する場合:2件目以降 1,100円/件加算
※ 請求先:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町7番1号 KABUTO ONE ㈱証券保管振替機構 開示請求事務センター

インターネット取引(ネット証券・ネットバンク)の調査方法

  1. 郵便物・通帳から手がかりを探す 証券会社や銀行から届いた郵便物、紙の通帳、クレジットカードの明細書にネット証券・ネットバンクの名前が記載されていることがあります。
  2. スマートフォン・パソコンのメール受信箱を確認する 取引の約定通知・残高通知メールが届いていることが多く、証券会社やネットバンクを特定する有力な手がかりになります。
  3. 特定できた金融機関・証券会社へ直接問い合わせる パスワード不明でも、相続人として書類を提出することで口座情報の開示・残高証明書の取得ができます。
  4. インターネットバンクの決済口座から株取引先を探す ネット証券の決済は通常インターネットバンクを通じて行われます。決済口座の入出金履歴から取引先証券会社を割り出せる場合があります。

COMPARISONご自身で対応する場合と弁護士に依頼する場合の違い

複数の金融機関・証券会社に分散した資産を調査するのは、想像以上に手間がかかります。香川の皆様が相続手続きを安心して進めるためにも、専門家のサポートをご検討ください。

比較項目 ご自身のみで対応 弁護士に依頼
調査対象の特定 口座・証券会社の特定が困難なことが多い 証拠・手がかりをもとに系統的に特定
金融機関との交渉 「全員の同意が必要」と言われ止まりやすい 判例を根拠に単独での開示請求を進められる
振替機構への開示請求 手続き方法や必要書類の整備が煩雑 書類作成・提出を一括して代行
デジタル遺産(ネット口座)の調査 調査の手がかりを見落とすリスクが高い チェックリストに沿って漏れなく調査
相続税申告への連携 調査後の税理士連携が別途必要 税理士と連携し評価・申告をスムーズに
費用 各証明書等の実費のみ 弁護士費用+実費(要見積もり)

「どこに何があるかわからない」相続
よつば法律事務所にご相談ください

金融資産の調査漏れは、後になって発覚した場合に修正申告・ペナルティのリスクにつながります。「まず何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。

よつば法律事務所では、預貯金・有価証券の調査から遺産分割・相続税申告への連携まで、相続の全プロセスをサポートします。

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