2026.04.03
コラム

相続財産の不動産調査

投稿者:二川伸也

相続した不動産の調べ方|登記事項証明書・名寄帳・固定資産評価証明書の取得方法【香川・高松の弁護士 よつば法律事務所】

※ 本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。

ESTATE INVESTIGATION

父が持っていた不動産がどこにあるかわからない
――相続財産の不動産調査で
使える4つの方法

「父が祖父の代から山林や農地などを複数所有していたと聞いているが、正確な所在がわからない」――相続手続きを進めようとしたとき、こうした問題に直面される方は少なくありません。高松市周辺でも、先代から引き継いだ不動産の所在が不明なまま相続が発生するケースは多くあります。

相続財産に含まれる不動産をもれなく把握することは、正確な相続税申告や遺産分割の大前提です。本コラムでは、不動産の保有状況を調べるために使える4つの方法を、具体的な手順・費用とともに解説します。

OVERVIEW不動産調査で使える4つの方法

被相続人が所有していた不動産を調査する方法は、主に以下の4つです。状況に応じて組み合わせて活用することが重要です。

1登記事項要約書の取得
📍 法務局(登記所)
所在がおおむね判明している場合に、登記記録の概要を確認する。
2登記事項証明書の取得
📍 法務局(登記所)/オンライン
権利関係を正式に証明する書面。相続手続きに必要な公式書類。
3名寄帳の取得
📍 市区町村役場
市区町村内の所有不動産を一覧で把握できる。所在不明な不動産の発見に有効。
4固定資産評価証明書の取得
📍 市区町村役場
相続税の計算に必要な不動産の評価額を証明する書類。

METHOD 1 & 2法務局で取得する――登記事項要約書・登記事項証明書

① 登記事項要約書(閲覧用)

現在の法務局はコンピュータ化されているため、かつてのような登記簿の直接閲覧はできません。代わりに「登記事項要約書」という、登記内容の概要を記した書面を取得できます(不動産登記法119条2項)。

登記事項要約書は登記官の認証文が入らない簡易版のため、権利関係の確認・調査用として使い、正式手続きには次の登記事項証明書が必要です。

📌 手数料:1登記記録につき収入印紙500円
1登記記録の記載が50枚を超える場合は、以後50枚ごとに50円加算。添付書類は不要で、誰でも請求できます。

② 登記事項証明書(公式証明書)

相続手続きや法要手続きで実際に使用する公式書類です。誰でも取得可能で(不動産登記法119条1項)、請求方法は3通りあります。

  1. 管轄または最寄りの登記所に持参・郵送 全国の登記所が「登記情報交換サービス」で相互対応しているため、地元の法務局で遠方の不動産の証明書を受け取ることも可能です。
  2. 郵送で申請・郵送で受取 申請書に収入印紙を貼付し郵送。返信用切手と返送先を記載した封筒を同封してください。
  3. オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム) 自宅から申請可能。指定登記所受取か郵送受取を選択。手数料はペイジーやインターネットバンキングで納付します。

登記事項証明書の手数料は取得方法によって異なります。

窓口持参・郵送
600円/通
収入印紙で納付。50枚超は50枚ごとに+100円
オンライン→指定所受取
490円/通
電子納付。50枚超は同様に加算
オンライン→郵送受取
520円/通
電子納付。50枚超は同様に加算
インターネット確認のみ
141円/件
証明力なし。所有者確認などの調査目的向け
💡 地番・家屋番号の確認方法
登記簿の地番・家屋番号は住居表示(〇〇市〇〇町〇番〇号)と異なります。権利証(登記済証)があれば確認できます。なければ法務局備付けの地図や住居表示地番対照住宅地図等で確認してください。管轄法務局は法務局ホームページの「管轄のご案内」で検索できます。

METHOD 3市区町村役場で取得する――名寄帳

名寄帳(土地名寄帳・家屋名寄帳)は、市区町村が固定資産課税台帳に基づき作成する、納税義務者ごとの不動産一覧です(地方税法387条)。「どこに不動産があるかわからない」という場合に特に有効な調査手段です。

取得の手順

  • 📍請求先:各市区町村役場(東京都の場合は都税事務所)
  • 📄必要書類:相続人であることを確認できる書類(戸籍謄本等)
  • 💰費用:各市区町村の定めによる(事前確認を推奨)
⚠ 名寄帳取得の3つの注意点
① 単名所有と共有所有は別帳票:1人で所有する不動産と他者との共有不動産は別々に記載されるため、両方の請求が必要です。
② 法人名義の不動産は記載されない:被相続人が会社名義で所有していた不動産は名寄帳に載りません。
③ 名義が祖父のままの可能性:本事例のように祖父から引き継いだ不動産がまだ祖父名義のままになっているケースがあります。念のため祖父名義でも名寄帳を確認することをお勧めします。

METHOD 4相続税計算に必要な――固定資産評価証明書

相続税の申告には、不動産の評価額を把握する必要があります。評価方法は不動産の種類・所在地によって異なります。

  • 🏙路線価方式(市街地の宅地):国税局長が道路ごとに定めた1㎡あたりの路線価をもとに計算します。
  • 🌾倍率方式(農村・郊外の宅地・山林・原野等):「固定資産評価額 × 評価倍率」で計算。本事例の山林はこちらが適用されます。
  • 🏠建物:固定資産評価額がそのまま相続税評価額となります。

固定資産評価証明書は、市区町村役場(東京都は都税事務所)で相続人が申請できます。戸籍謄本など相続人であることを確認できる書類と、申請者の本人確認書類(運転免許証等)が必要です。

COMPARISONご自身で調査する場合と弁護士に依頼する場合の違い

香川・高松市周辺では、先代から引き継いだ山林や農地などが複数の市区町村にまたがるケースもあります。調査が広範囲になる場合は、弁護士への依頼が効率的です。

比較項目 ご自身のみで対応 弁護士に依頼
調査範囲の特定 どの市区町村の名寄帳を取るか判断が難しい 手がかりから調査先を的確に特定
書類収集の手間 複数の法務局・市区町村への請求で時間がかかる 職権・代理権限でまとめて効率的に収集
名義が古いままの不動産 祖父名義等、相続未了を見落とすリスク 数世代にわたる名義調査もアドバイス可能
相続税申告への連携 評価方法の判断・税理士との連携が困難 税理士と連携し評価・申告をスムーズに進行
遺産分割への展開 調査後の協議・調停への移行に専門知識が必要 調査から遺産分割まで一貫してサポート
費用 各種証明書取得の実費のみ 弁護士費用+実費(要見積もり)

「不動産の所在がわからない」から始まる相続
よつば法律事務所にご相談ください

「どこに何があるかわからないまま相続手続きを進めていいのか不安」「調査だけでも弁護士に頼めるのか」――そのようなご質問も、まずはお気軽にご連絡ください。

よつば法律事務所では、不動産調査から遺産分割協議・調停、相続税申告への連携まで、相続の全プロセスにわたりサポートします。

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