2026.04.03
コラム

相続分を侵害された場合

投稿者:二川伸也

兄が勝手に相続登記していた|相続分を侵害された場合の対処法【遺産分割調停・更正登記】|香川・高松の弁護士 よつば法律事務所

※ 本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。

INHERITANCE DISPUTE

気づいたら兄が勝手に相続登記していた
――相続分を侵害された場合に
取れる3つの対処法

公開日:2025年 | 執筆:よつば法律事務所 弁護士

「遺産分割の話し合いをしようと登記を確認したら、知らないうちに兄が単独名義で相続登記をしていた」――そのような衝撃的な発見をされた方からのご相談は、高松市周辺でも決して珍しくありません。

自分が同意していない登記は、正しく取り消すことができます。ただし、取れる手段は状況によって異なり、放置すると時効のリスクもあります。本コラムでは、弁護士が具体的な対処法を3つのルートに分けて解説します。

SITUATIONまず状況を整理しましょう――なぜこれは違法なのか

相続が開始すると、相続人は相続開始の時から遺産について個々の財産の共有持分権を当然に承継します(民法896条)。本事例のように兄・弟・妹の3人が相続人の場合、各人が法定相続分(原則として各3分の1)の共有持分権を自動的に取得します。

したがって、相続人全員の合意なく1人が単独名義で登記することは、他の相続人の所有権(共有持分権)を侵害する行為です。このような登記を行った者を「表見相続人」といい、正しく権利を持つ者を「真正相続人」といいます。

⚡ まず確認してほしいこと
被相続人(お母様)が「すべての遺産を長男に相続させる」旨の遺言書を残していた場合は状況が異なります。遺言書の有無を必ず確認してください。遺言書があっても遺留分(最低限の相続分)は主張できる場合があります。弁護士に早めにご相談ください。

THREE OPTIONS取れる対処法は3つ――状況に応じて選択します

1遺産分割調停・審判の申立て
相続財産の帰属に争いがない場合 家庭裁判所に遺産分割の調停を申立て、公正な分割を求める。最も一般的な解決方法。
2更正登記手続請求訴訟
登記の訂正を直接求める場合 民事訴訟で不正な単独名義登記の更正(訂正)を裁判所に求める。
3民事訴訟(確認・損害賠償等)
財産帰属の確認が必要な場合 遺産であることの確認請求・不当利得返還請求・損害賠償請求なども選択肢に。
📌 遺産の帰属に争いがあると遺産分割調停だけでは解決しないことも
相手方が「遺産ではない(自分が取得済みだ)」と主張する場合、家庭裁判所の遺産分割審判では前提問題について判断できても既判力(確定的な法的効力)が生じません。この場合、民事訴訟で先に帰属を確定させてから改めて遺産分割手続きを行うことになります。

PROCEDURE 1ルート①:遺産分割調停の手続きと流れ

必要な書類

  • 📄被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 📄相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)および住民票または戸籍附票
  • 📄遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書・預貯金残高証明書等)
  • 📄相続関係図
📌 申立費用の目安
収入印紙1,200円 + 予納郵便切手(各裁判所の定めによる)|申立先:相手方住所地管轄の家庭裁判所

調停から審判へ――手続きの流れ

  1. 遺産分割調停の申立て 相手方(兄・弟)の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てを行います。審判申立てでも通常まず調停に付されます。
  2. 調停委員会による話し合いの調整 調停委員が当事者双方から主張を聴取。証拠調べや事実調査を行うこともあります。
  3. 調停成立 → 調停調書の作成 合意が成立し調書に記載されると、確定審判と同一の効力を持ちます。登記の更正や持分移転の条項を盛り込みます。
  4. 調停不成立 → 審判手続へ自動移行 調停が成立しない場合、自動的に審判手続きに移行します(家事事件手続法272条4項)。裁判所が分割方法を決定します。

CAUTION見落とし厳禁!「消滅時効」という落とし穴

相続登記の更正登記手続請求訴訟を提起した場合、相手方(兄)から民法884条「相続回復請求権の消滅時効」の援用という抗弁が出される可能性があります。これが認められると、登記の更正が認められなくなる場合があります。

権利侵害を知った時から
5
相続権侵害の事実を知った日が起算点
相続開始(死亡)の時から
20
こちらの期間が先に到来した方が適用
⚠ ただし「悪意の相続人」には時効援用権がありません
最高裁判所の判例(昭和53年12月20日判決)によれば、「他の共同相続人がいることを知りながら単独で登記した者」は消滅時効を援用できません。共同相続人が他の相続人の存在を知らなかったことに合理的な事由があった場合に限り、時効の援用が認められます。本事例のように兄が兄弟姉妹の存在を明らかに知っていた場合、時効の援用は認められない可能性が高いといえます。
✅ 時効のリスクを回避するために
「気づいたのが遅かった」という場合でも、まず弁護士に相談してください。時効の起算点(いつから数えるか)や援用権の有無は個別の事情によって異なり、専門家の判断が必要です。放置するほどリスクは高まりますので、早期の相談をお勧めします。

COMPARISONご自身で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

香川の皆様が相続分侵害のトラブルに直面した場合、手続きは複数の選択肢にわたり、時効リスクや訴訟対応も絡む複雑な問題です。弁護士への早期相談が解決の鍵となります。

比較項目 ご自身のみで対応 弁護士に依頼
手続き選択の判断 調停・訴訟・更正登記のどれが適切か判断が困難 状況に応じた最適な手続きを選択・提案
時効リスクの管理 気づかないうちに時効が完成するリスク 時効の起算点・援用可否を正確に判断
相手方との交渉・調停 感情的対立の中での交渉は困難を極める 代理人として冷静・的確に対応
訴訟対応(更正登記請求等) 法律的な主張・立証は専門知識が不可欠 訴状作成から口頭弁論まで一貫して対応
登記手続きへの対応 更正登記・持分移転登記の手順が複雑 司法書士と連携してスムーズに対応
費用 申立費用・収入印紙等の実費のみ 弁護士費用+実費(要見積もり)

「勝手に登記された」と気づいたら
すぐによつば法律事務所にご相談を

相続分の侵害は、放置するほど解決が難しくなります。時効リスク、感情的な対立、手続きの複雑さ――これらはすべて、弁護士が間に入ることで大幅に緩和できます。

よつば法律事務所では、遺産分割調停から訴訟対応まで、相続トラブルに精通した弁護士が一貫してサポートします。「まだ相談する段階かどうかわからない」という段階でもお気軽にご連絡ください。

📞 087-802-2936 に電話する

受付時間:平日 9:00〜18:00 | まずはお電話でご予約ください

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