2026.07.21
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「会社が辞めさせてくれない」という人へ

投稿者:池内優太
退職代行

お隣の愛媛県の労働局への相談件数の中で、昨年度、2番目に多かったのが「仕事を辞めたいのに辞めさせてくれない」という自己都合退職に関する相談だった・・・というニュースを見ました。

私も、よく、会社が辞めさせてくれないんです、という相談を受けることがあります。

これ、法律家に言わせれば「あり得ない話」です。

信じられない、ひどい、という意味の「あり得ない」ではありません。「法的にあり得ない」のです。

だからこの種の相談に対しては「辞めればいいですよ」としか答えようがなく、法律相談が一瞬で終わってしまいます。

こう答えると、

「いや引継ぎが必要で・・・」とか、

「私が辞めたら業務が・・・」とか、

いろいろ仰る方が多いのですが、そうやって話をされる内容の99.9%は「そんなのは会社がどうにかすべきことで、あなたが気にしなくて大丈夫です。」というものです。

今でもよく聞く相談なので、日本の労働者は「働かせてもらっている」という意識が根強いのだなと感じます。


会社との関係は、基本的に雇用契約という契約に基づくものです。

契約であるからには、一方が破棄しようと思えばできるのが原則です。

ただし、雇用契約を雇用主側から破棄するのは難しく、厳格な手続を要します。

これは、雇用されている労働者を保護するために、法律があえてそのようにしているんですね。

逆に、労働者側から雇用契約を破棄するのは簡単です。 2週間以上の期間をおいて「○月○日をもって退職します。」と伝え、そのとおりにすればいいだけです。


我々は寝たかったら寝ますし、おなかが空いたら食べますよね。

それと同じで、辞めたかったら辞めればいいのです。会社の許可など不要です。

ひとつだけ例外として、期間が決まっている有期労働契約の場合で、かつ契約日から1年を経過していない時期に会社の承諾なく辞めるには「やむを得ない事由」が必要とされています(民法628条、労働基準法137条)。

期間が決まっているので、会社としてもその間はその人がいることを期待しているからですね。


ここからはよくある質問です。

Q1、会社の業務の引き継ぎが必要だと言われました。これをしなければ退職できないのでしょうか。

A1、引き継がなくても退職できます。引継ぎをどうするかを考えるのは会社の責任です。


Q2、あなたが辞めたらあなたが担当する取引先との業務内容がわからなくなる。だから辞めないでくれ、と言われました。罪悪感もあるし、残るべきでしょうか。

A2、あなたの罪悪感が、辞めたい気持ちを上回れば残ればいいでしょう。逆なら辞めた方がいいです。取引先との業務内容の情報を一人に集中させたのは会社なので、その責任は会社にあります。あなたが悪いわけではありません。


Q3、会社の規則に、退職するには30日以上前に会社に伝えること、と定められています。この場合、退職予告は2週間ではなく30日になりますか。

A3、なりません。法律のとおり、2週間前の予告でOKです。


Q4、退職予告をしたら露骨な嫌がらせを受けるようになりました。これに対して何かできることはありますか。

A4、慰謝料請求ができますが、嫌がらせの証拠が必要です。また、退職までの短い期間に受けた嫌がらせなので、内容によりますが請求できる慰謝料も高額にならない可能性が高いです。お勧めは、嫌がらせの証拠(録音、メールの写真、チャット画面のスクショ等)を確保したら2週間経たずに辞めてしまうことです。法律の規定には違反しますが、それにより会社に損害が生じても、原因を作ったのが会社側であることの証拠が確保できていれば、会社側からの賠償請求等はかなりの確度で棄却に追い込めます。


Q5、辞めたことで会社に損害が生じた場合、何らかの賠償責任を負いますか。

A5、辞めることは自由なので賠償責任は負いません。人ひとり辞めただけで損害が生じるようなら会社の体制が脆弱なだけで、あなたが悪いわけではありません。ただし、有期雇用契約で、契約から1年経たずに辞める場合には「やむを得ない事由」が必要になります。また、辞めたことそのものではなく、あなたの不祥事で損害を与えたといえる事情があれば話は変わってきます。


本当によく受ける相談なので、何度答えたか記憶にないくらいですが、辞めるのは自由です。

皆さんがイメージする以上に自由です。

あなたが辞めたせいで会社に不便が生じるのは、そんな体制にしている会社の責任ですから、安心して辞めていただければと思います。


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