2026.04.07
コラム

配偶者短期居住権

投稿者:二川伸也

配偶者短期居住権の消滅請求とは?弁護士が高松から解説 | よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Termination of Spousal Short-Term Right of Residence

配偶者が無断で第三者に家を使わせている。
配偶者短期居住権の消滅を請求できますか?

相続した実家から「母が友人に部屋を貸している」――そんなお悩みを抱える方へ、弁護士が手続きをわかりやすく解説します。

「父が亡くなり、遺産分割で実家は自分が相続することになりそうだ。でも母が黙って友人に部屋を使わせている……」。高松市周辺でこのようなご相談をいただくことがあります。配偶者には「配偶者短期居住権」という強力な権利がありますが、一定のルール違反があれば、居住建物を相続した者は消滅を請求できます。この記事では、その要件と手続きを順を追ってご説明します。

配偶者短期居住権とは何か?まず基本を押さえましょう

配偶者短期居住権(民法第1037条)は、被相続人が亡くなった時点で、法律上の婚姻関係にある配偶者が被相続人所有の建物に無償で居住していた場合、手続きなしに当然に取得できる権利です。高齢化社会の進展を踏まえ、配偶者の居住を短期的に保護する目的で新設されました。

権利の存続期間

  • 遺産分割により居住建物の帰属が確定した日、または相続開始から6か月を経過する日のいずれか遅い日まで(配偶者が共有持分を持つ場合)
  • 居住建物取得者が消滅を申し入れた日から6か月を経過するまで(特定財産承継遺言・遺贈・相続放棄などにより配偶者が共有持分を持たない場合)

配偶者が負う主な義務

  • 従前の用法に従い、善良な管理者の注意義務をもって使用すること(善管注意義務)
  • 居住建物取得者の承諾なく、第三者に使用させてはならないこと(民法第1038条第2項)
  • 通常の必要費(固定資産税・通常の修繕費など)を自ら負担すること
ポイント:配偶者短期居住権は譲渡できません。また、第三者対抗力がないため、居住建物が売却された場合は新所有者に権利を主張できない点に注意が必要です。

無断使用があった場合の消滅請求手続きをステップで解説

消滅請求ができる要件

居住建物取得者は、次のいずれかの事由がある場合に消滅を請求できます(民法第1038条第3項)。

  1. 配偶者が善管注意義務に違反した場合
  2. 配偶者が承諾なく第三者に建物を使用させた場合

今回の事例では「無断で友人に部屋を賃貸した」という行為が②に該当します。

消滅請求の方法と法的効果

  1. 意思表示の方法:配偶者本人に対する意思表示で消滅させることができます。共同相続人が複数いる場合も、単独で(保存行為として)行使可能です。催告は不要です。
  2. 書面で通知:意思表示の時期と内容を明確にするため、内容証明郵便などの書面で通知するのが実務上の標準です。
  3. 明渡し・退去請求:消滅請求が効力を生じると、配偶者は建物を返還する義務を負います(民法第1040条)。無断で使用していた友人に対しても、占有権限がないことを理由に退去を求めることができます
  4. 損害賠償:無断使用期間中の賃料相当損害金を請求することも可能です。
注意:配偶者が居住建物に共有持分を有する場合は、消滅請求による明渡しを求めることはできません(民法第1040条ただし書)。遺産分割の状況を先に確認することが重要です。

自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 自分で対応 弁護士に依頼
通知書の作成 書式は存在するが、法的要件を正確に満たす表現が難しい 法的効力を確保した書面を作成。内容証明郵便での送付にも対応
相手方の対応 無視・拒否された場合に次の手段が取りにくい 交渉代理・調停・訴訟まで一貫して対応可能
友人(第三者)への退去 法的根拠の主張が難しく、任意退去しないケースも 占有権限がないことを法的に主張し、明渡し請求を迅速に進められる
損害賠償請求 金額の算定・請求手続きが複雑 賃料相当損害金の算定・請求を適切にサポート
遺産分割との連携 並行した手続きの管理が困難 遺産分割協議・調停と同時に対応し、全体最適の解決を図れる
費用の目安 印紙・郵送代など実費のみ 着手金・報酬金(案件規模により異なる。初回相談は多くの事務所で無料)

香川の皆様へ よつば法律事務所にご相談ください

配偶者短期居住権の消滅請求は、手続き自体はシンプルに見えても、相手が応じない場合や遺産分割と絡む場合には複雑な対応が必要になります。高松市で相続に関するお悩みを抱えていらっしゃる方は、ぜひ一度弁護士へご相談ください。

よつば法律事務所

〒760-0028 香川県高松市鍛冶屋町3-1 香川三友ビル2階

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