「母が亡くなりました。数年前に離婚しているため、相続人は私(25歳)と弟(16歳)の2人です。弟は未成年なので、私が代わりに手続きをすればよいのでしょうか」——そのようなご相談は、高松市周辺でも寄せられます。
しかし、未成年の弟に親権を行う者がいない場合、兄姉が法定代理人として勝手に手続きを進めることはできません。「未成年後見人」を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。このコラムでは、その手続きと流れをご説明します。
親権者がいない未成年相続人には「未成年後見人」の選任が必要です
親権者の死亡等により未成年者に対して親権を行う者がいない場合、家庭裁判所に「未成年後見人」の選任を申し立てる必要があります(民法840条第1項)。未成年後見人は未成年者の法定代理人として、監護・教育・財産管理・法律行為を行う権限を持ちます(民法857条・859条)。
📌 ポイント:本事例では母が相続人でなく、兄(25歳)と弟(16歳)が共同相続人です。兄が弟を代理して遺産分割協議を行うことはできないため、弟のために未成年後見人を選任し、後見人が遺産分割協議に参加する形をとります。
未成年後見人の選任から遺産分割まで——4つのステップ
未成年後見人選任の申立て
未成年被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立て。申立人は未成年被後見人またはその親族その他の利害関係人。申立費用は収入印紙800円と予納郵便切手。申立書のほか申立事情説明書も提出する。
財産目録の作成
未成年後見人は就職後、遅滞なく未成年被後見人の財産調査に着手し、1か月以内に財産目録を作成しなければならない(民法853条)。期間内に困難な事情がある場合は、家庭裁判所に期間伸長の申立てができる。
未成年後見人が代理して遺産分割協議を行う
後見人が未成年者の利益を守る立場で他の相続人と協議。遺産分割協議書の署名欄には「相続人〇〇未成年後見人〇〇」と記載し、後見人の実印を押印する。未成年後見人選任審判書・印鑑登録証明書を添付し、不動産登記・預貯金払戻し等の手続きに進む。
報酬付与の申立て(任意)
未成年後見人は、家庭裁判所に申立てを行うことで、未成年被後見人の財産から相当な報酬を受けることができる(民法862条)。報酬の有無・金額は、後見事務の内容・期間・財産額等を考慮して裁判所が判断する。
未成年後見人の主な役割と義務
未成年後見人は、未成年者の生活全般を支える法定代理人です。主な役割は以下の4つです。
財産目録の作成
就職後1か月以内に財産を調査し、目録を作成する義務
監護・教育
未成年者の生活・教育に関する法律行為を代理する
財産管理
未成年者の財産を適切に管理し、家庭裁判所へ報告する
法律行為の代理
遺産分割協議・相続手続き等の法律行為を代理して行う
申立てに必要な主な書類
- 未成年被後見人の戸籍謄本・住民票または戸籍附票
- 未成年後見人候補者の戸籍謄本
- 親権者が死亡していることを証する書面(死亡の記載がある戸籍謄本等)
- 未成年被後見人の財産に関する資料(不動産登記事項証明書・預貯金残高証明書等)
- 申立事情説明書
- 利害関係人からの申立ての場合は利害関係を証する資料
離婚によって一方の親が親権者となり、その親権者が亡くなった場合、生存親が親権者変更を求めることもあります。生存親への変更が未成年者の福祉に沿うと認められれば、家庭裁判所により親権者が変更され、未成年後見制度を経ずに生存親が法定代理人となる場合があります(名古屋高裁金沢支部決定・昭和52年3月23日など)。
どちらが適切かは子の生活状況・意向・財産管理の必要性等を踏まえた判断となります。判断に迷う場合はぜひ弁護士にご相談ください。
自分で進める場合と弁護士に依頼する場合の比較
未成年後見人の選任は、申立書類の準備から財産目録の作成・報酬申立てまで複数の手続きが連動します。高松市周辺でお悩みの方は、以下の表もご参考ください。
| 比較項目 | 自分で手続き | 弁護士に依頼 |
|---|---|---|
| 制度の選択 | 未成年後見人か親権者変更か判断が難しい | 子の状況を踏まえた最適な方法を提案 |
| 申立書の準備 | 申立事情説明書の記載内容が複雑 | 申立書・添付書類の収集・作成を一括サポート |
| 財産目録の作成 | 1か月の期限内に調査・作成が困難なことも | 調査から作成まで支援、期間伸長申立ても対応 |
| 遺産分割協議書 | 未成年者の利益を適切に保護した内容か判断が難しい | 法定相続分を踏まえた適切な案を設計・作成 |
| 報酬付与の申立て | 申立の要否・事情説明書の記載が分かりにくい | 報酬申立ての要否・申立書作成をサポート |
| 費用 | 申立費用(印紙代800円+郵便切手)のみ | 弁護士費用が別途必要(内容により異なる) |
まずは、よつば法律事務所にご相談ください
「未成年の兄弟が相続人になったが手続きをどう進めればよいか分からない」「未成年後見人の候補者が見つからない」「財産目録の作成に間に合いそうにない」——そのようなお悩みは、ぜひ弁護士にご相談ください。選任申立てから遺産分割協議書の作成まで、よつば法律事務所がトータルでサポートいたします。
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