2026.04.06
コラム

相続放棄と財産管理義務

投稿者:二川伸也

相続放棄しても自宅を管理し続ける義務がある?令和5年改正の注意点|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
令和5年4月1日 改正民法940条 施行

Inheritance Waiver — Post-Renunciation Property Custody

相続放棄しても自宅の管理義務
残ることを知っていますか?
― 占有中の相続財産と放棄後の手続き ―

よつば法律事務所|香川県高松市の相続専門コラム


「夫が亡くなったが借金が多いため相続放棄したい。老朽化した自宅も早く引き払いたい――」高松市周辺でも、このようにお住まいの自宅の相続について悩まれているご相談者の方は少なくありません。

相続放棄をすれば借金の責任から解放されますが、放棄したらすぐに自宅を離れていい、というわけではありません令和5年4月1日に施行された改正民法940条により、相続財産を占有していた相続人は、放棄後も一定の管理義務を負うことが明確化されました。

この記事では、相続放棄後に残る管理義務の内容・解消する方法・相続財産管理人・清算人の選任手続きまで、弁護士の視点から解説します。

令和5年改正で何が変わったか2023年4月施行

改正前の民法旧940条でも放棄した相続人の管理義務は定められていましたが、「次順位の相続人が管理を始めるまで」という条件付きであったため、解釈が不明確でした。改正により、義務の内容と終了時期が明確化されました。

📋 改正民法940条①(令和5年4月1日施行)の内容 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人または相続財産の清算人に対してその財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

管理義務が続く期間と終了条件

  • 次の相続人(次順位相続人)が管理を開始するまでの間
  • 相続財産清算人に財産を引き渡すまでの間
  • 相続財産の帰属が確定した相続人が受領を拒否した場合は、履行の提供をもって引渡義務は解除されると考えられる
⚠ 管理を怠ると損害賠償責任を問われる可能性があります 「自己の財産におけるのと同一の注意」とは、一般人が自分のものを管理する程度の注意義務です。管理を怠って建物が倒壊し第三者に損害を与えた場合など、責任を問われるリスクがあります。適切な対応が重要です。

管理義務から解放される2つの方法

占有している相続財産の引渡し先がない・相続人が不明などの場合、家庭裁判所に申立てることで管理義務から解放される道があります。

① 相続財産管理人の選任申立て(民法897条の2)
  • 他の相続人が熟慮期間中など、引渡しができない暫定的な段階に活用
  • 相続財産の清算を目的としない保存・管理のための制度(令和3年改正で新設)
  • 申立人:利害関係人(放棄した相続人を含む)または検察官
  • 費用:収入印紙800円+予納郵便切手+官報公告料5,075円
② 相続財産清算人の選任申立て(民法952条)
  • 相続人のあることが明らかでない場合、または相続人全員が放棄した場合に活用
  • 財産の清算(換価・弁済)まで含む、より広範な権限を持つ制度
  • 申立人:利害関係人または検察官
  • 費用:収入印紙800円+予納郵便切手+官報公告料5,075円
📌「管理人」と「清算人」の関係 相続財産清算人(民法952条)は管理人(民法897条の2)の権限を包摂する上位の制度です。清算人が先に選任されていれば管理人の申立ては却下され、管理人が先に選任されている状態で清算人が選任されると、管理人の選任は基本的に取り消されます。

放棄後の手続き全体の流れ

1
相続放棄の申述 家庭裁判所で受理されると借金の責任は解消
2
管理義務の継続 占有財産は引渡しまで同一注意で保管(民940①)
3
管理人・清算人の選任申立て 引渡し先不明の場合は家庭裁判所へ申立て
4
財産の引渡し 管理人・清算人への引渡しで管理義務が終了

申立時の主な添付書類(管理人・清算人共通)

  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 財産を証する資料(不動産登記事項証明書・預貯金残高証明書等)
  • 申立人の戸籍謄本・相続関係図
  • 相続放棄申述受理証明書(放棄した事実を証明するため必須)

自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 ご自身で対応 弁護士に依頼
改正法の理解 最新の法改正を把握しにくい 令和5年改正を含め的確に対応
管理義務の期間管理 いつまで義務が続くか判断が難しい 終了条件を整理して最短での解放をサポート
管理人・清算人選任の申立て 書類収集が煩雑 書類収集から申立てまで一括対応
相続放棄と管理義務の一体対応 別々に対応する必要がある 放棄申述から引渡しまで一貫サポート
損害賠償リスクの回避 管理が不十分になりやすい 義務の範囲と適切な保管方法をアドバイス

※ 上記は一般的な目安です。個別の事情によって異なります。

まずはよつば法律事務所にご相談ください

「相続放棄したのに自宅をどうすればよいかわからない」「管理人・清算人の選任申立てを急いでいる」「令和5年改正で自分の義務がどう変わったか確認したい」――香川の皆様のそのようなお悩みに、よつば法律事務所が丁寧にお答えします。

相続放棄は「終わり」ではなく、占有財産の管理・引渡しという義務がその後も続きます。早期に弁護士に相談することで、管理義務の期間を最短に抑え、安心して新生活を始めることができます。

ご予約はお電話で 087-802-2936
※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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