2026.04.04
コラム

名義預金の相続

投稿者:二川伸也

子供名義の預金は相続財産になる?名義預金の落とし穴と対処法|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。


Hidden Assets in Inheritance — Dormant Account

子ども名義の預金、それは本当に「あなたのお金」ですか?
名義預金と相続の関係を弁護士が解説

遺産整理中に自分名義の通帳が出てきた——そんな経験はありませんか。「名義預金」は相続をめぐる紛争や税務調査で問題になりやすいテーマです。

「父が亡くなって遺産を整理していたら、私(子)名義の預金通帳が出てきた。子供のころから積み立てられたもので、残高はかなりの額になっている——これは相続財産になるの?」

高松市周辺でも、このような「名義預金」をめぐるご相談は少なくありません。名前だけを見れば自分の財産のように思えますが、法律上・税務上はそう単純ではないのです。本記事では、名義預金の判断基準から具体的な手続き、弁護士に相談すべきタイミングまで丁寧にご説明します。

名義預金とは何か——「名前」ではなく「実態」で判断される

名義預金とは、預金口座の名義人と、実際にお金を出した人(出捐者)が異なる預金のことです。たとえば、祖父母や親が子どもや孫の名前で積み立てたケースがこれにあたります。

日本の裁判所は、預金が誰のものかを判断する際、名義だけでは決めません。次のような事情を総合的に考慮します(最判昭52年8月9日)。

  • 誰がお金を出したか(資金の出捐者)——親が給与から振り込んでいた場合は親の財産とみなされやすい
  • 誰が通帳・印鑑を管理していたか——子どもが自分で管理していなければ実態は親の財産
  • 贈与の意思があったか——贈与契約書の有無、子どもが贈与を認識していたかどうか
  • 預金口座を実際に誰が使っていたか——出し入れをすべて親が行っていた場合は名義預金と判定されやすい
⚠️ 「子どもへの贈与のつもりだった」では不十分なことも
東京高裁平成21年4月16日判決は、被相続人が行った妻名義の預金について生前贈与を否定し、遺産と認定しました。名義だけでなく、贈与の証書作成・名義人自身による管理などが揃っていなければ、後に否定されるリスクがあります。

名義預金が発覚したときの3パターンと対処法

パターン①:名義人も他の相続人も「遺産だ」と認める場合

全員が名義預金を被相続人の財産と認めた場合は、その預金を含めて遺産分割協議を行います。協議が成立したら遺産分割協議書を作成します。

1
遺産分割協議書に名義預金を明記する

「相続人全員は、〇〇銀行〇〇支店 甲野一郎名義の預金が被相続人の財産であることを確認する」旨を協議書に記載します。

2
名義人以外が取得する場合は「払戻→引渡し」の条項を入れる

被相続人名義への変更は銀行が応じない場合があるため、名義人が解約・払戻を行い、その金員を取得相続人に引き渡す内容にするのが現実的です。

3
相続人全員が実印で押印・印鑑登録証明書を添付する

協議書には相続人全員の実印押印と印鑑登録証明書の添付が必要です。

パターン②:名義人が「自分の財産だ」と主張する場合

名義人が贈与などを理由に「自分の財産」と主張する場合、名義人は原則として銀行への払戻請求が可能です。ただし、他の相続人から異議が申し立てられると銀行が支払いを拒否するケースもあります。

他の相続人としては、その預金を含む遺産全体について遺産分割調停を申し立てるか、遺産確認の訴えを提起することになります(平成28年最高裁大法廷決定により、預金債権も遺産分割の対象となりました)。

パターン③:税務署から「名義預金では」と指摘された場合

相続税申告後に税務調査で名義預金と認定されると、修正申告や更正処分の対象になります。後日の課税リスクを避けるためにも、生前から贈与契約書の作成・名義人自身による管理を徹底することが重要です。

📌 相続人間の合意があっても課税庁には対抗できない場合も
相続人間の調停で「名義人の財産」と合意しても、課税庁がこれを相続財産として更正処分をした事例があります(東京地判平20年)。税務リスクへの対応には税理士との連携も重要です。

自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の違い

比較項目 ご自身で対応 弁護士に依頼
名義預金の判断 法的判断が難しく、誤りやすい
リスク大
判例・実務基準をもとに正確に判断
安心
協議書の作成 記載漏れ・法的不備のリスクあり 法的に有効な協議書を作成
後日紛争防止
相続人間の対立 感情的対立が長期化しやすい
解決困難
中立的立場で交渉・調整
早期解決を促進
調停・訴訟 手続きが複雑で本人申立は困難 調停申立・訴状作成・期日対応まで一括サポート
税務リスク対応 税務調査への対応が難しい 税理士と連携し総合的にサポート
費用 実費のみ(収入印紙・郵送代等) 弁護士費用が発生(内容により異なります)

名義預金の問題は「気づいたときには手遅れ」になりがちです。香川の皆様も、遺産整理の際に見覚えのない通帳が出てきた場合は、早めに弁護士へご相談ください。

📋
相続の全体像については、こちらのまとめページをご覧ください。 名義預金以外の相続財産調査・遺産分割・相続放棄など、相続に関するテーマを網羅的にご案内しています。

名義預金の問題、一人で悩まずご相談ください

「この通帳は相続財産になるの?」「他の相続人ともめそうで不安」「税務署から指摘されるか心配」——名義預金に関するお悩みは、弁護士へのご相談が最も確実な第一歩です。

高松市を拠点とするよつば法律事務所では、相続財産の調査から遺産分割協議・調停対応まで、丁寧にサポートいたします。どうぞお気軽にお電話ください。

よつば法律事務所
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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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