2026.04.02
コラム

相続人がいない場合の葬儀費用等の立替

投稿者:二川伸也

相続人がいない故人の葬儀費用を立て替えた|相続財産清算人の申立てで取り戻す方法|香川・高松の弁護士 よつば法律事務所

※ 本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。

INHERITANCE / ESTATE PROCEDURE

相続人がいない故人の
葬儀費用を立て替えた
――相続財産清算人の申立てで
取り戻す方法

公開日:2025年 | 執筆:よつば法律事務所 弁護士

「身寄りのない知人が亡くなり、やむを得ず葬儀費用を立て替えた。故人には預金があるはずなのに、相続人がいないと誰に請求すればいいのかわからない」

香川・高松市周辺でも、このようなご相談をいただくことがあります。答えは「相続財産清算人の選任申立て」という手続きにあります。本コラムでは、相続人不存在の場合に葬儀費用を取り戻すための具体的な方法を、弁護士がステップ別にわかりやすく解説します。

SOLUTION結論:「相続財産清算人」の選任申立てが窓口です

相続人がいない、あるいは相続人が存在しないことが明らかな場合、その故人の財産は「相続財産法人」として管理されます。この財産を管理・清算し、債権者(葬儀費用を立て替えた方を含む)への支払いを行うのが「相続財産清算人」です(民法952条)。

葬儀費用の立替分は、社会的に相当な範囲であれば相続債務として相続財産から支払われるべきものと解されています。つまり、適切な手続きを踏めば、故人の預金などから葬儀費用を回収できる可能性があります。

📜 根拠法令
民法952条に基づき、利害関係人または検察官は家庭裁判所に対して相続財産清算人の選任を申し立てることができます。なお、令和3年民法改正(令和5年4月1日施行)により、従来の「相続財産管理人」という名称が「相続財産清算人」に改められ、清算手続が合理化されました。

PROCEDURE具体的な手続きの流れ――ステップ別解説

STEP 1:相続財産清算人の選任申立て

まず、相続が開始した地(故人の住所地)を管轄する家庭裁判所に対して、相続財産清算人の選任審判を申し立てます。

申立てから葬儀費用受領までの全体フロー

1
家庭裁判所へ選任申立て 申立人:利害関係人(立替者)または検察官
2
相続財産清算人の選任・公告 官報公告により相続人・債権者を募集(2か月以上)
3
葬儀費用の請求・権限外行為許可の申立て 清算人が裁判所の許可を得て支払いを実行
4
立替金の受領 許可審判確定後、清算人より支払い

申立てに必要な主な書類

  • 📄被相続人の出生から死亡までの全戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 📄被相続人の父母・兄弟姉妹など相続順位の全員分の戸籍謄本
  • 📄被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 📄財産を証する資料(預貯金残高証明書・通帳写し・不動産登記事項証明書 等)
  • 📄葬儀費用の立替金を証する資料(領収書・明細書 等)
  • 📄相続財産清算人候補者がいる場合はその住民票または戸籍附票
  • 📄相続関係図

STEP 2:葬儀費用・祭祀費用の支払い請求

選任された相続財産清算人に対して、葬儀費用の立替分を請求します。相続財産清算人は、社会通念上相当な葬儀費用については、裁判所の許可なく相続財産から支払えると解されています。

ただし、葬儀の内容・規模・費用額はケースごとに異なるため、実務上は「権限外行為許可の審判申立て」を経て裁判所の判断を仰ぐのが一般的です(民法953条・28条)。

⚠ 祭祀法事費用(法要・墓石など)は別途許可が必要
葬儀費用と異なり、法要・永代供養料・墓石購入費などの祭祀法事費用は、必ず権限外行為許可の審判申立てが必要です。裁判所は被相続人の意思・費用の相当性などを総合的に考慮して審判します。
📌 申立費用の目安(選任申立て)
収入印紙800円 + 予納郵便切手(各裁判所の定めによる)+ 官報公告料5,075円

COMPARISONご自身で対応する場合と弁護士に依頼する場合の違い

相続財産清算人の選任申立ては、必要書類が多く、戸籍収集だけでも相当の手間がかかります。香川の皆様が手続きで困られた場合は、弁護士へのご相談をお勧めします。

比較項目 ご自身のみで対応 弁護士に依頼
戸籍等の書類収集 複数の市区町村への請求が必要で手間がかかる 弁護士が職権で収集・整理をサポート
申立書の作成 記載漏れや不備で補正・却下のリスク 正確な書面を作成し迅速に申立て
相続財産清算人との交渉 交渉・書類提出の進め方が不明確になりやすい 弁護士が清算人・裁判所と直接やり取り
権限外行為許可申立て 申立人は清算人のみ。自分では申立て不可 清算人への申立て働きかけを含めサポート
費用の回収可能性 手続きの遅延・不備で時間・費用を損失するリスク 適切な手順で回収可能性を最大化
費用負担 実費のみ(印紙・郵便・官報公告料 等) 弁護士費用+実費(要見積もり)
精神的な負担 大きい(慣れない手続きを一人で進める) 小さい(窓口を一本化して任せられる)

なお、権限外行為許可の申立てができるのは相続財産清算人本人のみです(民法953条・28条)。立替者であるご自身は直接申立てできないため、選任された清算人に対して適切に働きかけることが重要であり、ここでも弁護士のサポートが有効です。

葬儀費用の立替でお困りの方へ
よつば法律事務所にご相談ください

「手続きの進め方がわからない」「どの書類を集めればいいか不安」「本当に取り戻せるのか確認したい」――そのようなお気持ち、十分に理解できます。

よつば法律事務所では、相続手続きに精通した弁護士が、書類収集から申立て、相続財産清算人との折衝まで、ご依頼者様に寄り添いながら丁寧に対応いたします。

まずはお気軽にご連絡ください。初回のご相談内容を丁寧にお聞きした上で、取り得る手続きをわかりやすくご説明します。

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