2026.04.07
コラム

行方不明の相続人と不動産

投稿者:二川伸也

行方不明の相続人がいて遺産分割できない。不動産持分を取得・売却する方法を弁護士が高松から解説 | よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
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行方不明の相続人がいて10年以上遺産分割できない。
令和5年改正で、持分取得・売却の道が開けました。

所在が分からない相続人がいても、一定の要件を満たせば裁判所の決定で不動産を動かせます。弁護士が高松から手続きをわかりやすく解説します。

母が残した土地を弟と共有しているが、弟は10年以上行方がわからず遺産分割協議ができない。この土地に家を建てたい、あるいは売却したい――。香川の皆様からも、こうした「動かせない共有不動産」についてご相談をいただきます。令和5年4月施行の民法改正により、相続開始から10年を経過していれば、所在等不明相続人の持分を取得する、または第三者に譲渡する手続きが整備されました。本記事でその内容と手順を解説します。

2つの選択肢:「持分取得」か「持分譲渡」か

令和5年改正で新設された制度には、目的に応じた2つの手続きがあります。

① 持分取得の申立て(民法第262条の2)

  • 自分が不明相続人の持分を買い取り、単独所有に近い形にしたい場合
  • 家を建てる、活用するなど自ら使いたいときに適する
  • 申立先:不動産所在地管轄の地方裁判所
  • 申立費用:収入印紙1,000円

② 持分譲渡権限付与の申立て(民法第262条の3)

  • 不明相続人の持分を含め不動産全体を第三者に売却したい場合
  • 売却・換価を希望するときに適する
  • 申立先:不動産所在地管轄の地方裁判所
  • 申立費用:収入印紙1,000円
共通の申立要件(3つ全て満たすこと):①不動産が複数の相続人の共有に属すること、②他の共有者である相続人の所在が住民票・戸籍等の調査でも判明しないこと(共有者が死亡しその相続人が不明な場合も含む)、③相続開始から10年を経過していること

①「持分取得」の手続きをステップで解説

手続きの流れ

  1. 申立て:共有者である相続人が地方裁判所に申し立てる
  2. 公告:裁判所が所在不明相続人に異議申述の機会を与えるため公告を行う(異議があれば申立ては却下される)
  3. 他の相続人への通知:登記簿上の氏名が判明している相続人に公告事項を通知
  4. 供託命令:裁判所が定める額の金銭を不明相続人のために供託するよう命じられる。金額は法定相続分を基準に、不動産鑑定書・固定資産税評価額等をもとに裁判所が判断
  5. 持分取得の決定:異議期間経過後、却下事由がなければ決定が出る。申立相続人が単独で移転登記を申請できる
注意:後から所在不明相続人が現れた場合、その相続人は持分の時価相当額の支払いを請求できます(民法第262条の2第4項)。供託金で充当されますが、供託額が時価相当額に満たない場合は差額を別途請求されることがあります。

②「持分譲渡権限付与」の手続きをステップで解説

手続きの流れ

  1. 申立て:共有者である相続人が地方裁判所に申し立てる
  2. 公告:裁判所が所在不明相続人に異議申述の機会を与えるため公告を行う
  3. 供託命令:不明相続人の持分に相応する金銭を供託するよう命じられる
  4. 持分譲渡権限付与の決定:不明相続人以外の全相続人が自己の持分を同一の譲渡先に譲渡することを停止条件として、不明相続人の持分も譲渡する権限が付与される
  5. 権限行使:決定確定後2か月以内に権限を行使(期間内に譲渡の効力を発生させる必要あり)
⏰ 期限厳守:裁判確定後2か月以内に権限を行使しないと、裁判の効力が失われます。期間の伸長を裁判所に申請することは可能ですが、売却交渉の目処を立ててから申立てを行うことを強くお勧めします。

自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 自分で対応 弁護士に依頼
所在不明の調査・証明 住民票・戸籍附票の取得から探索報告書の作成まで手間と時間がかかる 調査事務所との連携・報告書作成を含め必要書類を効率よく整備
申立書の作成 取得申立と譲渡権限付与申立の違いを把握した上で正確に記載する必要がある 目的に応じた手続きを選択し、要件を満たした申立書を作成
供託金額の検討 不動産鑑定や評価証明の取得・読み解きが難しい 不動産鑑定士と連携し、裁判所が認める供託額の根拠を整備
譲渡権限の期限管理 決定確定後2か月の期限を自己管理しながら売却交渉を進める必要がある 売却先の確保・期限管理・移転登記まで一貫してサポート
登記手続き 持分移転登記の単独申請など、手続きが複雑 司法書士と連携し、決定後の登記手続きをスムーズに対応
費用の目安 収入印紙・鑑定費用・郵便切手など実費(鑑定費用は数十万円になることも) 着手金・報酬金(案件規模による。初回相談は多くの事務所で無料)

高松市周辺でのご相談はよつば法律事務所へ

「相続人が行方不明のまま10年以上経つ」「共有の土地を動かしたいのに誰とも連絡が取れない」――こうした状況でも、令和5年の法改正で解決の道が開けました。香川の皆様、まずは弁護士にご相談ください。

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〒760-0028 香川県高松市鍛冶屋町3-1 香川三友ビル2階

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