2026.04.06
コラム

海外在住の相続人

投稿者:二川伸也

相続人が海外在住の場合の遺産分割とは?サイン証明書と調停手続きを解説|よつば法律事務所

Overseas Heir & Estate Division

相続人の1人が海外在住——
遺産分割協議はどう進めればいい?

サイン証明書の取得方法から、協議が調わない場合の調停申立てまで、必要な手続きをわかりやすく解説します。

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。

「父が亡くなり相続の手続きをしようとしたら、兄弟の一人がアメリカに住んでいて……印鑑証明が取れないとどうしたらいい?」

このようなご相談は、高松市周辺でも年々増えています。グローバル化が進む現代、相続人の一部が海外に居住しているケースは珍しくありません。しかし、海外在住の相続人がいる場合、通常の遺産分割協議とは異なる手続きが必要になります。

この記事では、①相続人全員が合意している場合の協議書の作り方と、②話し合いがまとまらない場合の調停手続きを、ステップごとに丁寧に解説します。

結論合意できるなら「サイン証明書」、揉めるなら「東京家裁への調停」

遺産分割協議書を法務局や金融機関に提出するには、相続人全員の実印と印鑑登録証明書が必要です。しかし、海外では日本のような印鑑登録制度がないため、代わりにサイン証明書を用意することになります。

📌 ポイント整理

① 全員が合意している場合 → 遺産分割協議書+サイン証明書で手続き可能
② 協議が成立しない場合 → 東京家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる

手続き①合意している場合——サイン証明書の取得と協議書の作成

サイン証明書とは?

サイン証明書とは、海外に住む日本人が現地の日本領事館で取得できる証明書です。日本国内の印鑑登録証明書に代わるもので、本人が係員の前で協議書に署名・拇印を押し、それが本人のものであることを領事館が証明します。

  • 日本から遺産分割協議書を海外在住の相続人へ郵送する
  • 海外在住者が現地の日本領事館に赴き、係員の前で署名・拇印を押す
  • 領事館がサイン証明書を発行し、協議書と一緒に綴じて割印する
  • 完成した書類を日本へ返送してもらう

遺産分割協議書の作成ポイント

  1. 国内在住の相続人は実印を押印し、印鑑登録証明書を添付します。
  2. 海外在住の相続人は署名・拇印を押し、領事館発行のサイン証明書を添付します。
  3. 完成した協議書を使って、不動産の相続登記・預貯金の名義変更・払い戻しなどを行います。
⚠ 注意:領事館によって手続きの方法や必要書類が異なる場合があります。事前に現地の日本領事館へご確認ください。また、郵送のやり取りに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。

手続き②協議が成立しない場合——東京家庭裁判所への調停申立て

申立先は「東京家庭裁判所または財産の所在地を管轄する家庭裁判所」

相手方が海外在住で日本国内に住所・居所がない場合、遺産分割調停の申立先は東京家庭裁判所または財産の所在地を管轄する家庭裁判所になります(家事事件手続法第7条、同規則第6条)。これは法律で定められた特別な管轄ルールです。

申立てに必要な書類

  • 遺産分割調停申立書(家事手続別表2第12号)
  • 被相続人の出生から死亡までの全戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む)
  • 相続人全員の戸籍謄本・住民票または戸籍附票
  • 不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書
  • 預貯金通帳の写しまたは残高証明書、有価証券の写し など

※ 申立費用:被相続人1名につき収入印紙1,200円+予納郵便切手

海外在住者が出頭できない場合

調停は原則として本人出頭が必要ですが、海外から毎回来日するのは大変困難です。次のような対応が認められています。

  • 代理人の出頭:弁護士でなくても代理人になれますが、弁護士以外の場合は家庭裁判所の許可が必要です。
  • 受諾書面の提出:調停委員会が調停条項案を提示し、海外在住者がそれを受諾する書面(サイン証明書付き)を提出することで、他の当事者が出頭して調停を成立させることができます。
  • 電話会議・テレビ会議:電話会議は海外からも参加可能です。テレビ会議は最寄りの家庭裁判所に出向く必要があるため、海外からの利用は困難です。

比較自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合

香川の皆様の中には、「海外の相続人との手続きをできるだけ自分でやりたい」と考える方もいらっしゃると思います。下の表を参考に、ご自身の状況に合った選択をご検討ください。

比較項目 ご自身で対応 弁護士に依頼
協議書・申立書の作成 書式の収集・記載に手間がかかる 弁護士が代行。漏れ・誤りを防止
海外とのやり取り ご自身で連絡・書類発送を管理 弁護士が段取りを調整・サポート
調停期日への対応 東京家裁まで本人出頭が必要 弁護士が代理人として出頭可能
費用目安 実費のみ(印紙代・郵送料など) 着手金+報酬(案件内容による)
リスク 書類の不備や手続きミスが起こりやすい 弁護士が責任を持って対応
こんな方に向いている 全員合意済みで財産が少ない場合 海外在住者との連絡が困難・調停が必要な場合

※ 費用は事案の複雑さや財産額によって異なります。まずはお気軽にご相談ください。

📋
関連ページのご案内
相続の全体像については、こちらのまとめページをご覧ください。

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「海外にいる家族と遺産分割の手続きを進めたい」「協議が難しそうで、どうすればいいかわからない」——そのようなお悩みを、私たちは丁寧にお聞きします。

サイン証明書の取得から遺産分割協議書の作成、必要であれば東京家庭裁判所への調停申立てまで、トータルでサポートいたします。

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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。

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