2026.04.06
コラム

土地相続と換価分割

投稿者:二川伸也

遺産の土地を売って代金を分ける「換価分割」とは?弁護士が手続きと税金を解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Liquidation Estate Division

遺産の土地を売却して代金を分ける
「換価分割」の手続きと
税金の注意点

現物を分けるのが難しいとき、売却して代金を分ける「換価分割」が有効です。協議書の書き方から譲渡所得税の特例まで弁護士が解説します。

父が亡くなり、遺産は土地だけ。自分も弟も特にその土地を使う予定はなく、売却してお金を等分に分けることで合意した——。こうした状況では「換価分割」という分割方法が最も適しています。

換価分割とは、遺産を売却してその代金を各相続人の取得分に応じて分配する方法です。現物を分割できない不動産や、誰かが単独で取得して代償金を支払う資力がない場合に特に有効です。香川・高松市周辺でも活用されるケースが増えています。この記事では、換価分割の手続き・協議書の作り方・税金上の注意点を解説します。

遺産分割の3つの方法と換価分割の位置づけ

🏠
現物分割

財産をそのまま相続人に割り振る基本の方法。土地を2分割するなど、物理的分割が可能な場合に有効。

💴
代償分割

一人が財産を全部取得し、他の相続人に代償金を支払う方法。支払能力がある相続人がいる場合に有効。

今回のテーマ 🏷️
換価分割

財産を売却して代金を分配する方法。現物分割が難しく、代償金の支払能力もない場合に最適。

換価分割では、まず土地を相続人全員で法定相続分に応じた共有持分で取得し、その後売却して代金を共有持分の割合で分配するという流れをとります。

換価分割の流れ
STEP 1
遺産分割
協議書を作成
STEP 2
共有で
相続登記
STEP 3
土地を
売却する
STEP 4
代金を持分
割合で分配

換価分割の遺産分割協議書の作成ポイント

換価分割の協議書には、通常の遺産分割と異なり売却条件(最低売却価額・売却期限)まで明記しておくことが重要です。これにより後のトラブルを防ぐことができます。

  • 土地の表示は登記事項証明書どおりに正確に記載します。所在・地番・地目・面積を漏れなく記載します。
  • 最低売却価額を明記します。市場価格を参考に、下限となる金額を合意しておくと安心です。
  • 売却期限を設定します。期限内に売れなかった場合の対応方針(再協議して最低価額を再設定するなど)も記載しておきます。
  • 相続人の協力義務を明記します。売却には全員の協力が必要なため、「互いに協力する」旨を記載します。
  • 相続人全員が実印で署名押印し、全員の印鑑登録証明書を添付します。

登記手続きと税金の注意点

相続登記

換価分割では、売却に先立ち各相続人の法定相続分に応じた共有持分で所有権移転登記を行う必要があります(今回の例では兄・弟それぞれ2分の1ずつ)。登記なしに売却はできません。

相続税

相続税が課される場合、兄・弟ともに法定相続分(各2分の1)に応じた相続税を負担します。

譲渡所得税と「取得費加算の特例」

売却代金から譲渡費用・取得費を差し引いた譲渡益に対して譲渡所得税がかかります。ただし、以下の特例が適用される可能性があります。

📌 取得費加算の特例(租税特別措置法39条)
相続開始日から相続税申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までに相続した土地を売却した場合、売却した土地に対応する一定の相続税額を取得費に加算できます(課税される譲渡益が減少し、税負担が軽減されます)。平成26年度税制改正以降は「売却した土地に対応する相続税分のみ」が加算対象となっています。
⚠ 相続税申告前に売却した場合の注意点
相続税の申告前に土地を売却して譲渡所得税の確定申告をした後、相続税額が確定した場合でも、相続税の申告期限内であれば申告書提出日の翌日から2か月以内に更正の請求を行うことで取得費加算の特例を受けられます。税理士への確認をお勧めします。

自分で手続きする場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 自分で手続き 弁護士に依頼
協議書の作成 売却条件・協力義務の記載漏れが後のトラブルになることも 売却条件・分配方法まで漏れなく記載した書面を作成
共有登記の手続き 書類収集・申請を自分で対応。補正対応も必要 司法書士と連携してスムーズに共有登記を完了
売却への協力 相続人間で意見が対立した場合、売却が進まないことも 価格交渉・不動産会社との調整も含めて一括サポート
税務上の対応 取得費加算の特例や更正の請求を見逃すリスクあり 税理士との連携も視野に入れたアドバイスが可能
費用の目安 実費のみ(登録免許税・書類取得費等) 弁護士費用(内容により異なる。要相談)

まとめ:売って分ける換価分割、税金の手続きもお忘れなく

換価分割は、土地を誰か一人が抱え込まず、公平に現金化して分け合えるシンプルな方法です。しかし相続登記・売却・譲渡所得税と手続きが重なり、税務上の特例を使いそびれると損をするケースもあります。

よつば法律事務所では、換価分割の協議書作成から登記・売却の段取りまで、相続に関するご相談を幅広くお受けしています。「売却額の折り合いがつかない」「税金の扱いが心配」という方も、ぜひ一度ご相談ください。香川・高松市近辺の方はお気軽にお電話ください。

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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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