2026.04.06
コラム

相続放棄の手続

投稿者:二川伸也

親の借金を相続しないために|相続放棄の申述手続きを弁護士が解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
Inheritance Waiver — Renunciation of Inheritance

親の借金を相続しないために
「相続放棄」の正しい手続きとは
― 申述方法・期限・注意点を弁護士が解説 ―

よつば法律事務所|香川県高松市の相続専門コラム


「父が多額の借金を残して亡くなった。母も私も弟も、この借金を引き継ぎたくない――」高松市周辺でも、こうした切実なご相談をいただくことがあります。

借金を含む相続財産をすべて引き継がないようにするためには、「相続放棄」の申述という手続きが必要です。正しく手続きをすれば、被相続人の一切の権利義務を承継せずに済みます。

ただし、相続放棄には原則3か月以内という期限があり、放棄後の効果や家族への影響についても理解しておく必要があります。この記事では、相続放棄の手続き・効果・よくある注意点まで弁護士の視点から解説します。

相続放棄とは何か―制度の概要と効果

相続放棄とは、相続の効果が自己に帰属することを拒否する旨の意思表示であり、家庭裁判所への申述という方式によって行います(民法938条)。家庭裁判所の受理審判によって効力が生じます。

放棄によってできること
被相続人の借金・保証債務を含む一切の消極財産を引き継がずに済む。「初めから相続人でなかった」とみなされる(民法939条)。
放棄によってできなくなること
預金・不動産などの積極財産も一切取得できない。また代襲相続も生じないため、子(孫)は相続人にならない。
⚠ 先順位の放棄が後順位者に影響します 先順位の相続人全員が放棄すると、後順位の者が相続人になります。例えば子全員が放棄すると被相続人の親(直系尊属)が、親も放棄すると兄弟姉妹が相続人となります。家族全員で放棄のタイミングを相談する必要があります。

相続放棄の申述手続き―3か月の期限と進め方

📋 申述の基本情報 申述人1名につき収入印紙800円+予納郵便切手。申述先は相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所(家事手続法201条①)。期限は自己のために相続の開始があったことを知った日から3か月以内(民法915条①)。複数の相続人がいる場合、期間は各相続人ごとに個別に進行します。
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    相続放棄申述書の作成 申述書に必要事項(申述人・被相続人の氏名・最後の住所・続柄・相続開始を知った年月日等)を記載します(家事手続規則105条①)。放棄の理由欄は「債務超過のため」を選択します。
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    必要書類を揃えて家庭裁判所へ提出 申述書と添付書類を管轄の家庭裁判所へ提出。書類の不備があると審理が遅れるため、事前の確認が重要です。
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    家庭裁判所の受理審判 申述が適法・真意に基づくと認められると受理審判がなされ、その時点で放棄の効力が生じます(家事手続法201条⑦⑧)。却下された場合は即時抗告が可能です(同法201条⑨三)。

申述時の主な添付書類

  • 申述人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)〔3か月以内のもの〕
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 申述人が直系尊属・兄弟姉妹の場合:被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(先順位者の不存在を証明するため)
  • 3か月超過の申述の場合:熟慮期間の起算時を示す資料(債権者からの通知書の写し等)
💡 3か月を過ぎていても諦めないでください 相続財産がないと信じたことに相当な理由がある場合、熟慮期間の起算点は「相続財産の存在を知った時または通常知りうべき時」とされます(最判昭59・4・27)。また、債権者からの請求通知を受けて初めて債務の存在を知った場合も、その時点から3か月の期間が開始するとされています。まずはご相談ください。

子や孫がいる場合の注意点―制限能力者と代理の問題

相続人の中に未成年の子や孫がいる場合、また成年被後見人などの制限行為能力者がいる場合には、追加の手続きが必要になることがあります。

  • 未成年の子が相続人の場合:親権者(法定代理人)が代理して申述できますが、親権者自身も同じ相続の相続人である場合は利益相反となり、特別代理人の選任が必要です(民法826条)
  • 例外:共同相続人が全員放棄する場合:法定代理人も含む共同相続人全員が同時に放棄する場合は利益相反に当たらないとされています(最判昭53・2・24)
  • 成年被後見人の場合:成年後見人が代理して申述しますが、後見人自身が同じ相続の相続人であれば特別代理人が必要です
  • 代襲相続に注意:子が放棄した場合、その子(孫)は代襲相続人にはなりません。ただし先順位者全員の放棄により後順位者が相続人になる場合、その方も3か月以内に検討が必要です

自分で申述する場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 ご自身で申述 弁護士に依頼
書類収集・作成 戸籍収集が煩雑になりやすい 一括して対応・不備なし
家族全員分の調整 各自でバラバラに対応 全員分を一括管理・期限も管理
3か月超過の対応 対応が非常に難しい 起算点を整理し受理を目指す
未成年・制限能力者の対応 特別代理人選任等の判断が困難 必要な手続きを見極めてサポート
後順位者への影響の整理 見落としやすい 全体を見渡したアドバイスが可能
費用 印紙代のみ(800円×人数) 弁護士報酬が発生

※ 上記は一般的な目安です。個別の事情によって異なります。

まずはよつば法律事務所にご相談ください

「3か月の期限が迫っている」「家族全員の放棄を急いで手続きしたい」「すでに3か月が過ぎてしまったが何とかしたい」――香川の皆様のそのようなお悩みに、よつば法律事務所が丁寧にお答えします。

相続放棄は一見シンプルな手続きですが、家族全員の期限管理・後順位者への影響・制限能力者の対応など、専門的な判断が求められる場面が数多くあります。「まだ間に合う」今のうちに、ぜひご連絡ください。

ご予約はお電話で 087-802-2936
※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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