2026.04.06
コラム

熟慮期間の伸長

投稿者:二川伸也

相続放棄の3か月が間に合わない|熟慮期間の伸長手続きを弁護士が解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。
3M
Inheritance Waiver — Extension of Deliberation Period

相続放棄の3か月
間に合わない――
― 熟慮期間の伸長手続きを弁護士が解説 ―

よつば法律事務所|香川県高松市の相続専門コラム


「父が亡くなったが、会社の借金や個人保証の額がまったく把握できていない。3か月以内に相続放棄か承認かを決めなければならないが、調査が終わらない――」こうしたお悩みは、高松市周辺でも経営者のご遺族の方からよくお聞きします。

相続放棄・限定承認の申述は、原則として相続開始を知った日から3か月以内に行わなければなりません(民法915条①)。しかし、相続財産の調査に時間がかかる場合には、家庭裁判所に申立てることでこの期間を延ばす(伸長する)ことができます。

この記事では、熟慮期間の伸長手続き・申立書の作成方法・期間が繰り下げられるケースまで、弁護士の視点からわかりやすく解説します。

熟慮期間とは何か―3か月の起算点と意味

熟慮期間とは、相続人が相続を承認するか放棄するかを検討するための期間です。この3か月は相続人の利益と相続債権者の利益を較量して定められたものです(民法915条①)。

熟慮期間のイメージ


← 3か月以内に判断が必要
⚠ 期間を過ぎると「単純承認」とみなされます 3か月以内に限定承認も相続放棄もしなかった場合、単純承認したものとみなされ(民法921条2号)、借金を含む一切の債務を引き継ぐことになります。手遅れになる前に行動することが重要です。

熟慮期間の起算点―「知った時」とはいつか

熟慮期間は、被相続人が死亡した事実自己が相続人であることの両方を知った時点から進行します(大決大正15・8・3)。単に死亡を知っただけでは起算されない点に注意が必要です。

✔ 期間の繰り下げが認められた例
相続財産が全くないと信じたことに相当の理由がある場合、起算点は相続財産の存在を知った時点とされた(最判昭59・4・27)
✔ 繰り下げが認められた例(高松高裁)
債権者から誤った回答を受け債務不存在と信じた場合、錯誤を理由に単純承認の効果を否定して改めて放棄申述が可能とされた(高松高決平20・3・5)
✗ 繰り下げが認められなかった例
自ら債務調査をせず漫然と遺産分割協議に参加し積極財産を受け取っていた場合は、繰り下げを認める特段の事情なしとされた(大阪高判平21・1・23)

※ 裁判例はあくまで参考です。個別の事情によって結論が異なります。

熟慮期間の伸長手続き―申立書の作成と提出

相続財産が複雑・多額であるなど調査に時間を要する場合、利害関係人(相続人含む)または検察官の請求により、家庭裁判所が熟慮期間を伸長することができます(民法915条①ただし書)。

📋 期間伸長のポイント 伸長期間は家庭裁判所が裁量で決定します。考慮される要素は、相続財産の複雑性・所在場所の広域性・相続人の居住地の遠隔性・相続人の能力等の状況です。また、伸長は共同相続人ごとに個別に認められます(一人ずつ申立て可)。
  1. 1
    相続の承認・放棄の期間伸長審判申立書を作成 申立人(相続人等)が作成。申立ての趣旨として「○か月伸長する審判を求める」旨を、申立ての理由として財産調査が困難な具体的事情を記載します。
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    必要書類を添付して家庭裁判所へ申立て 申立先は相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所(家事手続法201条①)。費用は伸長対象の相続人1人につき収入印紙800円+予納郵便切手です。
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    裁判所の審判を受ける 家庭裁判所が相当と認めれば、伸長期間の審判がなされます。伸長された期間内に相続財産の調査を完了し、承認・放棄・限定承認のいずれかを選択します。

申立時の主な添付書類

  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 伸長を求める相続人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 利害関係人からの申立ての場合、利害関係を証する資料(親族の場合は戸籍謄本等)
  • 代襲相続の場合は、代襲者であることを証明する戸籍謄本
⚠ 申立ては3か月の期間内に行ってください 期間伸長の申立て自体も、熟慮期間(3か月)が満了する前に行う必要があります。「もう少し様子を見てから」と先延ばしにすると申立てができなくなりますので、早めにご相談ください。

自分で手続きする場合と弁護士に依頼する場合の比較

比較項目 ご自身で手続き 弁護士に依頼
申立書の作成 書式の理解が必要 正確・迅速に対応
理由の説明(具体性) 説明が不十分になりやすい 裁判所が重視する事情を的確に記載
財産・債務の調査 調査手段に限界がある 信用調査・弁護士照会等を活用
期間満了リスクの管理 失念・誤算のリスクあり 期限管理を含めてサポート
伸長後の選択サポート 放棄・限定承認等の判断が難しい 調査結果をふまえて最適な選択を提案
費用 印紙代のみ(800円×対象人数) 弁護士報酬が発生

※ 上記は一般的な目安です。個別の事情によって異なります。

まずはよつば法律事務所にご相談ください

「3か月が迫っているが財産調査が終わっていない」「個人保証の額がわからない」「期間伸長の申立書をどう書けばよいか」――香川の皆様のそのようなお悩みに、よつば法律事務所が丁寧にお答えします。

熟慮期間の伸長は期間が満了する前に申立てなければ手遅れになります。また、伸長後の財産調査から最終的な承認・放棄・限定承認の選択まで、一貫してサポートいたします。「まだ間に合う」と思えるうちに、今すぐご連絡ください。

ご予約はお電話で 087-802-2936
※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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