2026.04.04
コラム

建物の遺産分割

投稿者:二川伸也

現物分割が難しい相続財産があるとき|高松市の弁護士が解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。


Indivisible Inherited Property

店舗兼自宅など分けにくい財産を相続するとき
代償分割・分割禁止の手続きを弁護士が解説

高松市・よつば法律事務所|弁護士による相続コラム

「店舗兼自宅を兄弟2人で半分ずつに分けろといわれても、それでは家業が続けられない」——こうした声はよくお聞きします。不動産をそのまま2つに切り分けることは現実には困難で、かといって売却すれば生活や仕事の基盤が失われます。

このコラムでは、現物分割が難しい相続財産がある場合の3つの対応方法を、具体的な手続きとともに解説します。

遺産分割協議

相続人全員で話し合い、分割方法を決める

遺産分割禁止

当分の間、分割を一時的に凍結する

代償分割

1人が取得し、他の相続人に代償金を支払う

🏠そもそも「現物分割」が難しい財産とは

相続財産の分割方法には、大きく分けて3種類あります。どの方法が適切かは、財産の性質・相続人の状況・各自の意向によって異なります。

現物分割

財産をそのまま分ける。土地の一部を切り分けるなど。

▶ 店舗兼住宅・一体利用の不動産は困難
換価分割

売却して現金化し、各相続人が金銭を受け取る。

▶ 居住・営業の継続ができなくなるリスク
代償分割

1人が財産を取得し、他の相続人に代償金を支払う。

▶ 家業継続・居住継続に最も適した方法
💡 本事例のポイント

店舗兼自宅は「現物分割も換価も難しい」典型例です。相続人全員が家業に携わっており、施設が営業の基盤になっている場合は、代償分割または一時的な分割禁止が現実的な選択肢となります。

🤝まず話し合い——遺産分割協議の申入れ

相続が発生したら、まず相続人間で遺産分割協議を行います。被相続人が遺言で禁じていない限り、相続人はいつでも協議による分割を求めることができます(民法第907条)。

協議が成立した場合は遺産分割協議書を作成します。成立しない場合は家庭裁判所に分割の調停・審判を申し立てることができます。

協議申入れ書に記載する内容

  • 相続が発生した事実(被相続人名・死亡日)
  • 相続人が誰であるかの確認
  • 対象となる遺産の概要
  • 協議の日時・場所の提案

即時分割が困難なら——遺産分割禁止の申立て

家業の継続や相続人の生活状況から、今すぐ分割することが適切でない場合は、遺産分割を一定期間禁止する手続きをとることができます(民法第908条4項)。

📌 「特別な事由」が必要

家庭裁判所が遺産分割禁止を認めるには「特別な事由」が必要です。裁判例(東京高決昭60・6・13)によれば、相続財産が営業施設であり相続人全員がその経営に従事している場合は、この「特別な事由」にあたると考えられています。

遺産分割禁止の主なルール

  • 禁止期間は最長5年以内(相続開始から10年が上限)
  • 5年以内に事由が解消しなければ、再度5年以内の禁止を申し立てられる
  • 第三者に対抗するためには登記が必要(相続登記後に共有物不分割特約の変更登記申請)
  • 申立費用:収入印紙1,200円+予納郵便切手
  • 申立先:相手方住所地を管轄する家庭裁判所
⚠ 実務上の注意

裁判所が職権で分割禁止を命じることは少ないため、必要な場合は当事者側から積極的に申し立てる必要があります。申立てのタイミングを逃すと、相手方が先に分割請求を進めてしまうリスクがあります。

💴1人が取得して解決——代償分割の仕組み

現物分割も換価分割も困難な場合の現実的な解決策が「代償分割」です。居住・営業を続けたい相続人が財産を単独で取得し、その代わりに他の相続人へ代償金を支払います。

代償分割の手順

  • 1
    財産の評価額を確認する 不動産鑑定・固定資産評価証明書・路線価などを参考に、対象財産の価値を把握する。
  • 2
    代償金の額を算出する 財産評価額に対する他の相続人の法定相続分に相当する金額を代償金とするのが基本。
  • 3
    支払能力を確認する 代償分割には取得者に代償金の支払能力があることが前提(最決平12・9・7)。金融機関からの融資も含めて検討する。
  • 4
    遺産分割協議書または調停調書に記載する 取得する財産・代償金の金額・支払期日・振込先口座を明確に記載する。
📌 代償金が支払われなかった場合

代償金が未払いになっても、遺産分割協議の無効や解除を主張することはできません(民法の判例上の考え方)。代償金を受け取る側は、支払期日・担保の設定などを協議書に明記しておくことが重要です。

📊自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の比較

代償分割や遺産分割禁止は、相続人間の利害が複雑に絡み合います。高松市周辺で家業の承継や不動産の単独取得を検討されている方は、早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。

対応場面 自分で対応 弁護士に依頼
遺産の評価・代償金の算出 根拠のある金額算定が難しい 適正な評価に基づき算出・交渉
相手方との協議・交渉 感情的対立になりやすい 弁護士が代理人として交渉
遺産分割禁止の申立て タイミング・要件の判断が困難 最適なタイミングで申立て対応
協議書・調停条項の作成 記載漏れ・不備のリスク 法的に有効な書面を作成
代償金未払い時のリスク対策 対処法が分からない 担保設定・期限の利益喪失条項など提案
費用 実費のみ 着手金・報酬金が発生
Free Consultation

「家業を続けたい」「1人で引き継ぎたい」
そのご希望、弁護士と一緒に実現しましょう

代償分割の金額設定・遺産分割禁止の申立て・相手方との交渉まで、よつば法律事務所の弁護士が全面的にサポートします。

よつば法律事務所
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📞087-802-2936

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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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