2026.04.04
コラム

ゴルフ会員権の相続

投稿者:二川伸也

相続財産にゴルフ会員権があるとき|高松市の弁護士が解説|よつば法律事務所

本コラムのレイアウト構成にはAIの支援を導入しています。皆様に複雑な法律問題を視覚的に分かりやすくお伝えするための試みです。

Golf Membership & Inheritance

相続財産にゴルフ会員権があるとき
相続できる?預託金は戻ってくる?

高松市・よつば法律事務所|弁護士による相続コラム

故人が保有していたゴルフ会員権。「相続できるのか」「預けたお金は返ってくるのか」——こうしたご質問は意外と多く寄せられます。ゴルフ会員権には特有の法律的な仕組みがあり、単純に「相続できる・できない」とは言い切れません。

このコラムでは、最も一般的な「預託金会員制ゴルフクラブ」を中心に、相続と預託金返還の取扱いをわかりやすく整理します。

Q. 相続できる?

会員契約上の地位は原則として相続できます。ただし、会員資格(施設利用権)は一身専属的なため、そのままでは引き継げません。

Q. 預託金は?

死亡を理由に直ちに返還請求はできません。退会によって初めて請求できます。ただし据置期間の満了が条件です。

預託金会員制ゴルフクラブとは

日本のゴルフクラブには複数の形態がありますが、現在のほとんどが「預託金会員制」です。仕組みを簡単に整理すると、以下のようになります。

会員の権利

施設の優先的利用権/預託金の返還請求権(退会時)

会員の義務

年会費等の納入義務/会則の遵守

これらの権利と義務は一体となった「会員契約上の地位」を構成しており、この地位を取得することが、相続における核心的な問題となります。

💡 相続で問題となる2つの論点

会員資格(施設利用権)——理事会の入会審査が必要な一身専属的なもの。相続で自動的には取得できない(最判昭53・6・16)。
会員契約上の地位——財産権として相続の対象となりうる。会則の定めや譲渡規定の有無によって決まる(最判平9・3・25)。

📜会員契約上の地位は相続できるか

会員契約上の地位を相続できるかどうかは、ゴルフクラブの会則の内容によって異なります。判例・実務上のルールを整理すると次のようになります。

  • 会則が相続を明示的に認めている場合——相続人は会員契約上の地位を承継できる
  • 会則が会員死亡による契約終了を定めている場合——相続承継はできない
  • 会則に相続規定はないが、地位の譲渡規定がある場合——相続承継できる(最判平9・3・25)
  • 会則に相続・譲渡いずれの規定もない場合——債権譲渡自由の原則(民法第466条)により譲渡は禁止されていないと解される
✅ 地位を相続した場合の権利・手続き

相続人全員が会員契約上の地位を準共有します。遺産分割で特定の相続人がこの地位を取得し、さらに理事会の入会承認を受ければ、会員資格(施設利用権)も取得できます。あわせて名義書換の手続きが必要です。

💴預託金を取り戻すには——退会による返還請求

「会員が死亡したのだから、預けたお金をすぐ返してほしい」と思うのは自然なことです。しかし判例(最判平9・12・16)は、死亡を理由とする預託金の即時返還請求は原則できないとしています。

なぜなら、預託金返還請求権は会員契約上の地位に組み込まれており、退会によって初めて独立した請求権として行使できるからです。

退会による預託金返還請求の手順

  • 1
    会則・預託金証書を確認する 据置期間の満了日・返還条件・退会手続きの定めを確認する。据置期間が未経過の場合は返還を受けられない。
  • 2
    相続人全員で退会・返還請求の方針を決める 退会・名義書換・第三者への譲渡の3つの選択肢から選ぶ。相続人全員の合意が必要。
  • 3
    必要書類を準備する 被相続人の戸(除)籍謄本(出生〜死亡)/相続人全員の戸籍謄本/相続人全員の印鑑登録証明書
  • 4
    退会通知および預託金返還請求書をゴルフ場経営会社に提出する 相続人全員が署名・押印し、振込先口座を指定する。
⚠ 経営会社が破綻している場合は?

ゴルフ場の経営会社が倒産・破綻している場合、預託金の回収が困難になることがあります。この場合は債権者として破産手続への参加を検討するなど、早急に弁護士へご相談ください。

📊3つの選択肢の比較——退会・名義書換・譲渡

多くのゴルフクラブの会則では、会員死亡後に相続人が取れる選択肢として、①退会して預託金返還を受ける、②相続人1名に名義書換をする、③第三者に譲渡する、の3つが用意されています。それぞれのメリット・デメリットを整理します。

選択肢 メリット デメリット・注意点
①退会・預託金返還 預託金を現金で回収できる 据置期間未経過だと返還不可。会員権の価値より預託金が少ない場合も
②名義書換(相続人へ) 引き続きゴルフ場を利用できる 書換料が発生する場合がある。年会費等の継続負担が生じる
③第三者への譲渡 市場価格で売却できる可能性 会員権市場の相場による。クラブによって承認手続きが必要
📌 どの選択肢が有利かは個別に判断を

預託金の金額・据置期間の残存・会員権の市場価値・相続人がゴルフを続けるかどうか——これらの事情によって最適な選択肢は異なります。判断に迷う場合は、弁護士にご相談ください。

Free Consultation

ゴルフ会員権の相続でお困りなら、
よつば法律事務所にご相談ください

「預託金をいつ・どうやって取り戻せるか」「名義書換と退会どちらが得か」「経営会社が倒産しそうで不安」——どのようなお悩みも、弁護士が丁寧にお答えします。

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※ 本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。また、掲載内容は本コラム作成時点の情報に基づくものであり、その後の法改正等により内容が変わる場合があります。
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